カマキリとはどんな昆虫?特徴や種類・飼い方のコツについて解説

2025.07.01

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大きなカマのような前足を持つカマキリは、子どもから大人まで多くの人を魅了する昆虫です。公園や庭先で見かけることも多く、その独特な姿から「昆虫の王者」と呼ばれることもあります。

この記事では、カマキリの体の仕組みや生態、日本で見られる種類、そして飼育方法まで、わかりやすく解説していきましょう。

カマキリの特徴

カマキリの特徴

カマキリは肉食性の昆虫で、世界に約2,000種類、日本には約10種類が生息しています。ここでは、カマキリに共通する特徴を3つみていきましょう。

獲物をすばやくつかまえる「カマ」のような前足

カマキリの最大の特徴といえば、やはり特徴的な鋭い前足です。まるで鎌のような形をしており、内側にはトゲが並んでいます。

普段は胸の近くに折りたたむようにして構えていますが、獲物を見つけると瞬時に伸ばして捕獲します。その速さは0.05秒という一瞬で、人間の目ではほとんど追うことができません。カマキリはこの前足でバッタやチョウ、ハエなどの昆虫を捕らえ、逃がさないようにしっかりと押さえつけます。

トゲの役割は、獲物がもがいても滑り落ちないようにするためです。このような構造と動きのおかげで、カマキリは「待ち伏せ型」のハンターとして自然界で生き抜いています。

獲物までの距離を正確に把握できる視覚

カマキリのもう一つの特徴は、発達した視覚です。頭部には大きな複眼が左右にひとつずつあり、広い範囲を見渡すことができます。複眼は数千個もの小さなレンズが集まってできており、動くものに非常に敏感です。

カマキリは、両目の視野が重なる「立体視」ができる数少ない昆虫のひとつです。この立体視によって、獲物との距離や位置を正確に測ることができ、前足を伸ばすタイミングを見極めるのに役立っています。

さらにカマキリの頭は自由に動かすことができるため、周囲の状況を素早く把握することが可能です。こうした優れた視覚は、カマキリが効率よく狩りをするために欠かせない能力といえるでしょう。

2万ヘルツ以上の超音波を聞き分ける聴覚

意外に思われるかもしれませんが、カマキリには「耳」があります。その位置は胸部の下側、後ろ足の付け根付近で、左右対称ではなく1つだけ存在しているという珍しい構造です。この耳は人間には聞こえない2万ヘルツ以上の超音波を感知することができます。

カマキリの耳が発達した理由は、夜行性のコウモリが発する超音波を察知するためと考えられています。コウモリが近づいてくると、その超音波をキャッチし、危険を察知して急降下したり、飛行パターンを変えたりして身を守るのです。

普段の生活ではあまり意識されませんが、カマキリが生きのびるためには、この「聞く力」も大事な役割を果たしています。

カマキリが食べるものと捕食方法

カマキリが食べるものと捕食方法

カマキリは完全な肉食性の昆虫です。

ここでは、カマキリが普段どんなものを食べているのか、そしてその捕食の仕方や、時に見られる共食いの理由について詳しくみていきましょう。

カマキリが食べるもの

カマキリの主な餌は、ハエ、蚊、バッタ、チョウ、ガ、アブラムシなどの昆虫類です。

体の大きさによって捕食できる獲物も変わり、小型のカマキリは小さな昆虫を、大型のカマキリはより大きな獲物を狙います。特に大型のオオカマキリになると、トンボやセミといった大きな昆虫はもちろん、時にはスズメバチまで捕食することも。さらにはカエルやトカゲ、小鳥といった小動物を捕らえることもあります。

カマキリは生きた獲物しか食べないため、動きの鈍いものや死んだ虫には興味を示しません。これは、狩りの本能が強く働いているためです。

カマキリの捕食方法

カマキリの狩りは主に「待ち伏せ型」です。

まず草むらや枝の上でじっと身を潜め、獲物が近づくのを待ちます。カマキリは動体視力が非常に優れており、わずかな動きも見逃しません。獲物が射程距離に入ると、鋭い前足を一瞬で伸ばして獲物が気づく間もなく捕まえます。

捕まえた後は、前足のトゲでしっかりと押さえつけ、まず頭部から食べ始めます。獲物がまだ生きていてもそのまま食べ進める姿には、自然界の掟を感じます。

カマキリはなぜ共食いをするのか

カマキリの生態の中でも特に有名なのが「共食い」です。なかでも知られているのが、交尾の最中にメスがオスを食べてしまうというものです。

これは、メスが卵を産むためにたくさんの栄養を必要とするためと考えられています。交尾中にオスを食べることで、メスは栄養を補給しやすくなり、たくさんの卵を産める可能性が高まるのです。実際に、オスを食べたメスのほうが、より多くの卵を産むという研究結果もあります。

ただし、すべての交尾でオスが食べられるわけではありません。 オスが素早く逃げたり、メスが十分に栄養をとっている場合は、共食いが起きないこともあります。

また、飼育しているときは、エサが少なかったり、狭い場所でストレスがたまったりすることで、共食いが起こりやすくなります。 そのため、カマキリを飼うときは1匹ずつ分けて育てるのが基本です。

日本でよく見られるカマキリ4種類

日本でよく見られるカマキリ4種類

日本には約10種類のカマキリが生息していますが、その中でも特によく見られる4種類について詳しく紹介します。それぞれに特徴があり、見分け方を知っていると観察がより楽しくなるでしょう。

オオカマキリ

オオカマキリは日本最大級のカマキリで、体長7~10cmにもなります。体色は鮮やかな緑色型と、枯れ草に紛れる褐色型があり、環境に合わせてうまくカムフラージュできるのが特徴です。後ろ羽の付け根が暗い紫褐色をしているため、他のカマキリと見分けるポイントになります。

主に川原や林の縁、草むらなどに生息し、成虫になるとセミやバッタ、チョウなどさまざまな昆虫を待ち伏せて捕食します。

チョウセンカマキリ

チョウセンカマキリは、オオカマキリとよく似ていますが、やや小型で体長6~8cm程度です。名前に「チョウセン」とついていますが、れっきとした日本の在来種で、本州から九州まで広く分布しています。

体色には緑色型と褐色型があり、草地や河川敷、公園など人の生活圏にもよく現れる身近なカマキリです。前脚の付け根にオレンジ色の斑紋があるのが特徴で、オオカマキリの淡い黄色の斑紋と区別できます。

ハラビロカマキリ

ハラビロカマキリは、名前のとおり腹部が幅広く、ずんぐりとした体型が特徴的です。体長は5~7cmと中型で、他のカマキリとは一目で区別できる独特の姿をしています。

体色は鮮やかな緑色が基本ですが、褐色型も存在します。前足の内側には白い突起(いぼ状突起)があり、これが他の種類と見分けるポイントとなるでしょう。

主に樹木の上や丈の高い草の花の近くで見かけることが多く、都市部の公園や庭園の樹木でもよく見つかります。

コカマキリ

コカマキリは、体長4~6cmと日本のカマキリの中では最も小型の種類です。褐色の体色が基本で、緑色の個体はほとんど見られません。

他のカマキリのように好戦的な性格ではなく、危険を感じると威嚇するのではなく、素早く逃げたり死んだふりをしたりするのが特徴的です。前脚の内側には黒や赤紫の模様があり、羽の中央付近には淡い褐色の斑紋が見られます。

都市部でも空き地や公園の草地で見つけることができ、自然の中で目立たない存在ですが、その擬態ぶりや行動を観察するのも楽しいカマキリです。

カマキリの産卵時期と卵の観察ポイント

カマキリの産卵時期と卵の観察ポイント

カマキリは秋に産卵し、冬を卵で過ごします。春になると一斉に孵化するため、卵の観察は自然の不思議を身近に感じられる絶好の機会です。

ここでは、カマキリの産卵時期や卵の形・産む場所について、観察のポイントを交えながら詳しく解説します。身近なフィールドで卵を探し、春の孵化の瞬間を観察してみましょう。

カマキリの産卵時期

カマキリは夏に成虫となり、秋(8月から10月ごろ)に交尾と産卵を行います。産卵を終えたメスはその後ほどなくして一生を終えますが、卵は「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれるスポンジ状の塊に包まれて冬を越します。

卵鞘は寒さや乾燥、外敵から卵を守る役割を果たしており、一つの卵鞘には種類によって100~300個もの卵が入っています。翌年の4月から5月、春の暖かさとともに一斉に孵化が始まり、小さなカマキリたちが生まれます。

カマキリの卵の形・産む場所

カマキリの種類によって、卵鞘の形や産卵場所には違いがあります。例えばオオカマキリの卵鞘は丸みを帯びた俵型で、長さ3~5cm程度の大きさです。チョウセンカマキリの卵鞘は細長い紡錘形をしています。

卵鞘は枯れ枝や建物の壁、フェンスなど地上から50~250cmの高さに産み付けられることが多く、これは雪に埋もれないようにするためとも言われています。

カマキリはどこで見つかる?生息場所と採取方法

カマキリはどこで見つかる?生息場所と採取方法

カマキリを観察・採集するには、まずどこにいるのかを知ることが大切です。適切な場所と方法を知っていれば、カマキリとの出会いの確率がぐっと高まります。

カマキリが見つかりやすい場所

カマキリは種類ごとに好む環境が異なりますが、基本的には草地や木の上が主な生息場所です。

特にススキやセイタカアワダチソウが生える場所は、バッタなどの獲物も多く、カマキリにとって理想的な環境といえるでしょう。都市部でも、管理されすぎていない公園や空き地、学校の校庭などで見つけることができます。

探すタイミングは、晴れた日の午前中から昼過ぎが最適です。気温が20度以上になると活動が活発になり、見つけやすくなります。7月から10月の成虫が多い時期が観察のベストシーズンです。

カマキリを捕まえるのに便利な道具

カマキリを捕まえる際は、虫かごやプラスチックカップなどの容器を用意しておくと持ち帰りやすく便利です。虫かごの中には、カマキリがつかまるための草や枝を入れておくと安心して移動できます。

虫取り網は高い場所にいるカマキリを捕まえる際に役立ちますが、草むらにいる個体は軍手をして素手で捕まえる方法もおすすめです。軍手やゴム手袋は、草木や虫によるけが防止にもなり、初めての方やお子様も安心して採集ができます。

虫よけスプレーや長靴も、野外での安全な活動のために準備しておくとよいでしょう。ケースは脱走防止のため、排水溝ネットなどでフタをする工夫も有効です。

カマキリの持ち方と扱い方

カマキリを捕まえるときは、体の「胸」の部分を優しく持つのが基本です。足や羽をつかむと、カマキリを傷つけたり、足が取れてしまうことがあるため避けるようにしましょう。胸は硬くてしっかりしているので、安定して持つことができます。

カマキリは鋭い前足で威嚇してくることもありますが、正しい持ち方をすれば人がけがをする心配はほとんどありません。網で捕まえた場合は、網の中でカマキリが落ち着くのを待ってから、ゆっくりと手を入れて捕まえます。

カマキリの飼育環境の作り方

カマキリはどこで見つかる?生息場所と採取方法

カマキリを自宅で飼育する場合は、自然に近い快適な環境を整えてあげることが大切です。ここでは、カマキリを健康に育てるために必要なものや、飼育時に注意したいポイントについて解説します。

カマキリを飼う時に必要なもの

カマキリの飼育には、適度な広さと高さのある飼育ケースが必要です。ケースはカマキリが自由に動き回れるよう、体長の2倍以上の高さがあるものを選ぶと脱皮の失敗を防げます。ケースの中には、カマキリがぶら下がって脱皮したり、休んだりできるよう、必ず止まり木や枝を数本入れてあげてください。

床には自然に近い環境を再現するために土や草を敷き詰めるとよいでしょう。水分補給のためには、水に浸したガーゼや霧吹きでケース内に水滴をつけておくとカマキリがなめて飲むことができます。

カマキリを飼う時に気をつけたいこと

カマキリの飼育で最も注意したいのは、共食いを防ぐために必ず1匹ずつ別々のケースで飼うことです。複数を同じケースに入れると、十分に餌を与えていても本能的に共食いが起こりやすくなります。

そのほか、以下にも気を付けましょう。

  • ケース内の乾燥は脱皮不全や体調不良の原因になるため、定期的に霧吹きをして適度な湿度を保つ
  • フンや食べ残しが溜まったらカマキリを一時的に別の容器に移し、ケースを掃除する
  • 高温すぎる場所や寒すぎる場所は避け、20~25℃程度の室温を目安に管理する
  • 脱走を防ぐため、フタはしっかり閉めて隙間がないか確認する

これらのポイントを守ることで、カマキリの健康を保ち、観察や飼育をより楽しむことができます。

カマキリの餌の与え方と飼育のコツ

カマキリはどこで見つかる?生息場所と採取方法

自然界のカマキリは生きた昆虫を主食としていますが、飼育下ではどんな餌をどのように与えればよいのか、また餌やりの頻度や注意点についても知っておくと安心です。ここでは、カマキリの餌の種類と入手方法、そして給餌の頻度やコツについて詳しく解説します。

餌の種類と入手方法

カマキリは生きた昆虫しか食べないため、常に新鮮な餌を用意する必要があります。幼虫期にはショウジョウバエやアブラムシなどの小さな昆虫を、成虫期にはコオロギ、バッタ、ハエなどを与えましょう。

大きすぎる餌は、カマキリが捕食できずストレスになることがあるため、餌のサイズは、カマキリの頭部と同じくらいか、それより少し小さいものを選ぶとよいです。

給餌の頻度とコツ

成虫のカマキリの場合、2日に1回程度の給餌で十分です。ただし、幼虫期は毎日給餌が必要で、成長に応じて餌のサイズを大きくしていきます。

餌の与え方にもコツがあり、ピンセットで餌をつまんで目の前で動かすと、狩猟本能が刺激されて捕食しやすくなります。生きた餌を容器に入れる場合は、カマキリが確実に捕まえられる数だけにしましょう。

脱皮前は食欲が落ちるので、無理に餌を与える必要はありません。水分補給も忘れずに、霧吹きで葉や枝に水滴をつけておくと、カマキリが水を飲む様子を観察できることもあります。

まとめ|身近な昆虫カマキリの魅力を再発見しよう

カマキリはどこで見つかる?生息場所と採取方法

カマキリは見た目のかっこよさやハンターとしての強さだけでなく、身近な場所で多様な生態を観察できる魅力的な昆虫です。自由研究や自然観察の題材としても最適なので、ぜひ身近なフィールドでカマキリの奥深い世界にふれてみてはいかがでしょうか。

観察を通じて、自然界のつながりや命の営みの不思議さを感じることができるはずです。



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