水草の育て方!初心者が覚えておきたい選び方、育成の手順や注意点を紹介

2024.03.18

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メダカや熱帯魚を水槽で飼い始めるときには、魚と一緒に水草もいくつか用意することがほとんどです。

底砂とエアーポンプのみで魚を飼い始める人は少ないでしょう。ショップでは必ず水槽に魚と水草が一緒に入っており、店員にすすめられてなんとなく水草も購入したという人も多いと思います。

なぜ、水草が必要なのでしょうか?この記事では、アクアリウム初心者に向けて水草を育てるメリットや育て方を詳しく解説します。

初心者におすすめの水草も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

水草とは?

水草とは?

水草とは水中で生活できるよう適応した植物をさします。水草の多くは、もともと進化の過程で陸地に上がっていた植物が、水中に再適応したものです。

もともと陸で生活していた植物が水中に戻ったので、水草は陸の植物より生きるのが大変です。水草も陸の植物と同じように、光と水と二酸化炭素で光合成をおこなう必要がありますが、水中は陸上より暗く、二酸化炭素も不足しがちになります。

そのため、水草を上手に育てるには、育てやすい水草を選び、水草に適応した環境を作ってあげなければなりません。

水草を魚とともに育てるメリット

水草を魚とともに育てるメリット

「魚を育てるのに、なぜ水草が必要なのだろう」と疑問に思う人も多いでしょう。魚を飼うとき、水草を一緒に育てるとさまざまなメリットがあります。

主な理由は、次のとおりです。

  • 水槽の水がきれいになる
  • 魚が産卵したり稚魚が隠れたりできる
  • 見た目が美しくなる

順に解説します。

水槽の水がきれいになる

魚と水草を一緒に育てると、水槽の水がきれいになります。

魚のフンや餌の食べ残しは、水槽内でバクテリアによって、アンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩と分解されていきます。硝酸塩はアンモニアや亜硝酸塩と比べると毒性は低いですが、バクテリアでは分解し切れません。

硝酸塩を放置すると、水槽内に溜まって魚にとって有害なものになってしまいます。水草は、この硝酸塩を根や葉から吸って栄養にするため、水質がよくなるのです。

魚が産卵したり稚魚が隠れたりできる

魚の繁殖を考える場合、産卵場所の環境は大切です。水草があれば、メダカや熱帯魚が安心して卵を産み付けられます。

また、稚魚が生まれてからも水草が隠れ場所として役立ちます。大きな魚からいじめられたり食べられたりするのを防ぎ、ライトや物音などのストレスから逃れてリラックスできるのです。

見た目が美しくなる

水草の入った水槽は、インテリアとしても美しいです。

水草水槽は、部屋の隅に置く観葉植物とは違った魅力があります。水の中で魚と一緒にゆらめく緑色の水草を見ることで、目の疲れを和らげます。

また、水草の緑は人のストレスや緊張を軽減する効果もあるので、水槽にはぜひ魚と一緒に水草も入れて育ててみましょう。

初心者必見!水草を育てるときに準備するもの

初心者必見!水草を育てるときに準備するもの

初めて水草を育てる場合は、魚や水草が快適な環境で生活できるようにするための準備が必要です。

水草水槽を設置するには、次のようなものが必要になります。

  • 水槽
  • 水槽台
  • ろ過装置
  • 底砂
  • 照明
  • エアポンプ
  • その他、あると便利なもの

ひとつずつ解説しましょう。

水槽

まずは、水槽が必要です。水槽には「30cm水槽」「60cm水槽」など、さまざまなサイズがあります。30cm水槽とは、横幅が30cmということです。

初めて水草水槽を設置するなら、扱いやすいスタンダードな60cmの規格水槽がおすすめですが、水槽を置く場所のスペースも考えて選びましょう。

極端に小さな水槽は水質管理が難しく、また初心者がいきなり大きな水槽を買っても管理しきれないことがあるので注意しましょう。

水槽台

水槽台は水槽を置く専用の台です。

水槽の大きさにもよりますが、水を入れると重量が数十kg以上になることもあります。水槽台は水槽の重さに耐えられるよう耐荷重が考慮されており、飼育に便利な機能がついているものも多いので、ぜひ設置しましょう。

ろ過装置

ろ過装置は水槽の水を良質に保つために必要です。

ろ過装置は水槽のゴミを取り除き、フィルターについているバクテリアが有害物質を分解し、無害化します。

底砂

水槽の底には、専用の砂を敷きます。水草を育てるなら、細めの砂利がおすすめです。水草が植えられるだけでなく、魚を落ち着かせ、バクテリアを定着させる効果もあります。

「砂」といっても、園芸用の砂や土は水槽には使用できません。注意しましょう。

照明

水草の育成には光が不可欠です。水槽の中は、そのままでは光合成に必要な光が足りないため、照明を設置しましょう。

なお、ただ明るいだけでは水草はうまく育ちません。水草育成のためには、光合成しやすい光が含まれた水草用のライトを設置しましょう。

エアポンプ

エアポンプは泡立つ様子から「ぶくぶく」とも呼ばれるもので、水中に酸素を送るための装置です。

酸素を送ることで魚の成長を促進し、バクテリアを活性化して水質の悪化を防ぎます。また、水を循環させて淀むのを防止する効果もあります。

「ブー」という振動音がうるさく感じたり、水温が低下したりするデメリットもあるので、注意しましょう。水温の低下や振動音は、水槽にキャノピー(フタ)を設置することで防げます。参考にしてください。

あると便利なもの

その他、水草をより育てやすくするために「CO2添加装置」や「水草用の肥料」があると便利です。

CO2添加装置は水草の光合成を活性化させ、肥料はバクテリアが有害物質を分解した硝酸塩だけでは足らない養分を補えるため、水草がより元気になり発色もよくなります。

水草の選び方

水草の選び方

水槽が設置できたら、水草を選びます。初めて水草を育てる人に向けて、おすすめの水草の選び方を紹介します。

選び方のポイントは、次のとおりです。

  • 丈夫で元気な株を選ぶ
  • 一緒に飼育する生体との相性から選ぶ
  • 育成難易度の低い水草を選ぶ

順番に詳しく解説します。

丈夫で元気な株を選ぶ

水草を選ぶなら、やはり丈夫で元気なものを選んだほうが長持ちします。

ワサワサと葉ぶりがよいものや、茎が太いものなど、見た目がよいものを選ぶのがおすすめです。葉が黄色かったり、根が傷んでいたり柔らかくなっていたりするものは、水草自体が傷んでいる可能性があるので避けましょう。

一緒に飼育する生体との相性から選ぶ

水草を選ぶ際は、一緒に飼育する魚との相性も考えましょう。魚のなかには、水草を食べてしまうものや、底砂を掘りおこして水草が抜けてしまうものがあります。

たとえば、金魚は、水草を食べてしまうことでよく知られています。水草の育成をするなら、金魚を一緒に飼育するのは避けましょう。

また、コリドラスのような「底物」も底砂を掘るので相性が悪いです。底物の魚と一緒に水草を育てるなら、底床に植え付ける必要がない水草を選んだほうがよいでしょう。

育成難易度の低い水草を選ぶ

水草のなかには、初めて育てるには育成が難しいものがあります。上級者が使うような本格的な設備が必要だったり、水質や養分の管理が難しかったりするものです。

基本的には、価格が高い水草は育成が難しいと考えてよいでしょう。初めて水草を育てるなら、手頃な価格から選んでみるのも手です。

水草の種類

水草の種類

水草をどのように設置するか考えた際、植える場所や植え方など、種類によってさまざまな違いがあります。

水草の種類を、次のように分類しました。

  • 植える位置で分けた種類
  • 特徴で分けた種類
  • 性質で分けた種類
  • 植え方で分けた種類

それぞれ解説します。

植える位置で分けた種類

水草を植える位置で分けた際の種類は、次の表のとおりです。

前景草 正面から見て手前に植えるもの

背が低い水草や横に成長していくもの

例:パールグラス、オーストラリアンノチドメ

中景草 前景草と後景草の間に設置するもの

例:アヌビアスナナ、アマゾンソード

後景草 正面から見て奥側に植えるもの
背が高くなる水草を奥に植えると奥行きが出る

例:マツモ、アナカリス

レイアウトを考える際の参考にしてください。

特徴で分けた種類

水草を特徴別に分けると、以下の表のようになります。

有茎草 しっかりとした茎があるタイプ

例:ウォーターウィステリア、セイロンロタラ

ロゼット型 葉が根元から生えているタイプ

例:アマゾンソード、エキノドルス

テープ状 葉が長いタイプ

例:バリスネリア、アポゲノドン

有茎草は前景〜中景、ロゼット型は中景〜後景、テープ状は後景におすすめです。

性質で分けた種類

水草の性質で分けると、以下のとおりです。

耐陰性 強い光がなくても育つもの

例:アルビアスナナ、ボルビティス

光量が必要 上記とは逆に強い光が必要なもの

背が低いグロックスティグマや、色が赤いロタラインディカなど

地下茎
(ランナー)
ツルがつながって増えていくもの。子株が出ることも

例:バリスネリア、ピグミーチェーンサジタリア

耐陰性は、育成が簡単で初心者にもおすすめできる種類です。

植え方で分けた種類

植え方で分けると、以下の表のようになります。

植え付け 根から栄養を吸収するタイプ。底砂に植え付けて育てる
有茎草やロゼット型など
活着 石や流木に活着させて育てるタイプ
例:アヌビアスナナ、ミクロソリウム
浮草 水中に浮かせて育てるタイプ

例:マツモ、ホテイソウ

活着タイプの水草は、初心者でも育てやすいものが多いです。活着した流木を入れるだけで、水槽がぐっとおしゃれになります。

水草水槽を立ち上げる手順

水槽と水草が用意できたら、水槽を設置しましょう。手順は次のとおりです。

  1. 飼育水を作る
  2. 水槽や床材を洗う
  3. 水槽台を用意する
  4. 床材を敷いて機器を設置する
  5. 水草を植える
  6. 水と魚を入れる

順番に解説します。

1.飼育水を作る

魚や水草にとって一番大事な生活環境の「水」を作ります。

水道水の塩素を中和させる中和剤を入れてカルキ抜きをしましょう。さらに、魚にとって最適な水温になるよう温度も調節します。

最適な水温は魚によって違うため、事前に調べておきましょう。

2.水槽や床材を洗う

底床材やレイアウトするアイテムをよく洗います。

底床にする砂にはゴミがついているので、水道水でよく洗ってから入れましょう。

3.水槽台を用意する

水槽を置く水槽台を設置します。

水槽台が水槽の重量に耐えられるものか、水槽が置いたときに水平になっているか、よく確認しましょう。水槽が傾いていると一か所に負荷がかかってひび割れたり、水漏れが起きたりすることがあります。

4.床材を敷いて機器を設置する

水草を植え付ける場合は、床材は水草の根をしっかり生やさせるために、5cmくらいの厚さにします。植え付けない場合は2〜3cmくらいの厚さでよいでしょう。

機器を設置する際は、水が循環するようにレイアウトを考えましょう。

5.水草を植える

水草を受ける際は、正面側(前景)に背が低いもの、背面側(後景)に背が高いものを植えると見栄えがよくなり、照明の光も行き届きやすくなります。

6.水と魚を入れる

カルキ抜きした飼育水を入れて、最後に魚を入れましょう。

水を勢いよく入れると底砂が舞ったり水草が浮いたりするので、水に手を添えて勢いを分散させながら入れるのがおすすめです。

水を張ってすぐには、環境が整っていないので魚を入れられません。ヒーターやろ過フィルターを数日使って異常がないことを確認して、バクテリアが定着してから入れましょう。

水草を育てるときの注意点

「水草は進化の過程で陸上から水中に再適応した植物のため、陸の植物を育てるのに比べて難しい」といわれることがあります。

初めて水草を育てる際の主な注意点は、次のとおりです。

  • 定期的に水換えと掃除をする
  • 伸びすぎていたらトリミングする
  • 水温や水質などを適正な値に保つ

それぞれ詳しく解説します。

定期的に水換えと掃除をする

ろ過装置を使ってうまくバクテリアが活性化しても、水や水槽は汚れていくので定期的な水換えと掃除は必要です。

水草は水中の汚れを吸収しますが、完全にはなくならないため、放置するとコケが生えてしまいます。水換えは1週間〜2週間に1回、水槽の3分の1くらいを目安におこないましょう。

底砂が汚れていれば、底砂も掃除しましょう。底床を掃除することで、有害な雑菌の繁殖が防げます。

伸びすぎていたらトリミングする

水草が成長して伸びすぎていたら、トリミングしましょう。そのまま放置すると、背の低い水草に光が届かなくなり、根元が枯れてしまうことがあります。

また、トリミングすることで成長不良を防止したり、観賞性を高められます。

水温や水質などを適正な値に保つ

水草を丈夫できれいに育てるためには、水温や水質が適正になっているかも確認しましょう。

ポイントは次のとおりです。

  • 水温は20~28℃の範囲
  • 水質はpH5~7の弱酸性から中性
  • CO2や肥料の添加

適正な水温は水草によって異なりますが、約20〜28℃の範囲内であれば問題ありません。特に夏と冬は適温から外れないよう注意しましょう。水槽に魚を入れる際は、「魚が快適に過ごせる水温」が水草の適性水温から外れていないかを確認しましょう。

水草と魚の適温が同じになるよう、水槽をレイアウトすることがポイントです。水槽のレイアウトを計画する際は、先に水草を選び、その水槽で暮らしやすい魚を選ぶことが一般的です。

水質は、pH5〜7の弱酸性から中性を保つようにしてください。定期的に検査キットを使用してpHをチェックすることをおすすめします。

また育てる水草によっては、CO2や肥料が不足することがあります。必要なCO2の量や適切な肥料の種類についてよく調べ、必要に応じて調整しましょう。

水草の育成に関してよくある質問

水草の育成に関してよくある質問

水草を育てる際によくある質問をまとめました。次のとおりです。

  • 初心者でも育てやすい水草の種類は?
  • 水草と一緒に入れるのにおすすめの魚は?
  • 水草のレイアウトのおすすめは?

順に回答します。

初心者でも育てやすい水草の種類は?

初心者でも育てやすく、見た目が美しい水草は次のとおりです。

  • マツモ
  • アヌビアスナナ
  • ミクロソリウム

マツモは水槽に浮かべるだけの浮草で、養分をよく吸収するので増えやすく、水をきれいに保てます。

アヌビアスナナは流木や石に活着させるタイプで、低い水温でも育つほど丈夫なうえ、多くの光を必要としないため育てやすいです。

ミクロソリウムはテープ状の葉が長いタイプで、植え付けでも活着でも育てられるのでレイアウトの幅が広がります。強い光も必要ありません。

水草と一緒に入れるのにおすすめの魚は?

水草の育成には、水草につくコケを食べてくれる魚を入れると掃除が楽になります。おすすめの魚は次のとおりです。

  • ヤマトヌマエビ
  • コリドラス
  • オトシンクルス

ヤマトヌマエビはヌマエビ科の属するメンテナンスフィッシュの定番で、コケのほか、食べ残しも処理してくれます。ちまちまとコケを食べる姿も可愛らしいです。

コリドラスは小型の熱帯魚で、ころっとした見た目が可愛いと人気です。底に沈んだ食べ残しを処理します。底砂を掘る習性があるので、植え付けタイプより活着タイプや浮草タイプの水草がおすすめです。

オトシンクルスは水槽の内側や流木に貼り付き、吸盤のような口でコケを削ぎ落とすように食べます。

一般的に「コケ」には、レイアウトに活用する「蘚苔類(せんたいるい)」と、ヤマトヌマエビなどが食べる「藻類(そうるい)」があります。

蘚苔類はレイアウトに使うため、放置しても問題はありません。しかし、藻類は、水草に付着すると以下のようなデメリットがあります。

  • 水草が光合成をしにくくなり弱ってしまう
  • 水草の見た目が損なわれる

そのため、藻類は紹介した魚に食べてもらい、よりきれいな水槽を保つようにするといいでしょう。

水草のレイアウトのおすすめは?

水草をレイアウトするときは、基本は背の低い水草は前景、背の高い水草は後景に配置して、光がまんべんなく水草に届くようにします。

そのうえで、おすすめのレイアウトのバリエーションは、次のとおりです。

  • 三角構図:右か左のどちらかに山を作って反対側に傾斜をつけるタイプ
  • 凹型構図:左右の端に山を作って中央を凹ませた見た目になるタイプ
  • 凸型構図:中央に山を作って視線を中央に集めるタイプ

水草は徐々に成長していきます。いきなり密にせず、最初は少なめに植えたほうがよいでしょう。初めてレイアウトを考える場合は、先にイメージ図を作ってから植えるのがおすすめです。

まとめ:水草を育てて見た目も楽しもう

まとめ:水草を育てて見た目も楽しもう

熱帯魚やメダカを飼い始めるなら、水草もぜひ一緒に育てましょう。水草を入れることで水槽全体の見た目が美しくなるだけでなく、水をきれいに保つ効果もあります。

水草にも多くの種類があり、初心者でも育てやすいものから、高価な機器が必要だったり緻密な管理が必要だったりする上級者向けのものまでさまざまです。

メインとする魚と共存できる育てやすい水草を選び、水槽の見た目も楽しみましょう。



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