ウーパールーパーの飼い方は?特徴や飼育のコツ、寿命についても解説

2024.03.18

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目次

ウーパールーパーはそのユニークな見た目と飼育のしやすさから、ペットとして非常に人気があります。水中で優雅に泳ぐ姿が魅力的で、見る人々に癒しをあたえてくれます。

しかし、実際に飼育を始める前に、「飼育は難しいのではないか?」「飼うためにはどんな準備が必要か?」と疑問に思う方も少なくありません。

本記事では、ウーパールーパーの特徴や種類、飼育に必要なもの、飼い方のコツ、注意点などを詳しく解説します。

「オスとメスの見分け方は?」「ウーパールーパーは他の魚と混泳できる?」といった初歩的な疑問も解消できる内容です。

ウーパールーパーの飼育に興味がある方、または飼育を始めたばかりの方は、ぜひ参考にしてください。

ウーパールーパーとは?

ウーパールーパーとは?

ウーパールーパーは、メキシコ原産のサンショウウオの仲間です。

「ウーパールーパー」とは俗称で、正式には「メキシコサラマンダー」「メキシコサンショウウオ」「アホロートル」と呼ばれます。

平均寿命は10年以上で、個体差はあるものの、一般的には25cm程度の大きさまで成長します。なかには30cmを超える大物も存在するほどです。

なお、原種は絶滅危惧種のためワシントン条約によって輸出が禁止されており、現在日本で販売されているウーパールーパーは、全て国内で養殖された個体です。

ウーパールーパーの特徴

ウーパールーパーの特徴

ウーパールーパーには次のような特徴があります。

  • 再生能力がある
  • 幼形成熟(ネオテニー)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

再生能力がある

ウーパールーパーには、手足をはじめ、臓器や脳まで再生する特殊な能力があります。

たとえ体の一部を損傷したとしても、7〜40日程度でほぼ元通りの状態に回復するといわれています。

幼形成熟(ネオテニー)

ウーパールーパーは成体(大人の姿)にならずに、生涯を水中で過ごすことが多い特異な生物です。

この現象を「ネオテニー」と呼び、カエルに例えると、オタマジャクシの状態で大きくなることに相当します。

特殊な環境が揃わなければウーパールーパーが成体になる(陸化・上陸・変態する)ことはありませんが、条件としては次のようなことが挙げられます。

  • 飼育水をギリギリまで減らして肺呼吸を促す
  • ヨウ素を飼育水に添加する
  • 甲状腺ホルモンを注射する 

条件が揃えば成体化は可能であるものの、成体化すると飼育が難しく、寿命が短くなるという説もあります。ウーパールーパーを飼育する人のほとんどが可愛らしい幼体の姿を好むため、成体化させないために気を付ける点として覚えておくとよいかもしれません。

ウーパールーパーの種類(カラー)

ウーパールーパーの種類(カラー)

ウーパールーパーには、主に次のような種類(カラー)があります。

  • リューシスティック(リューシー)
  • ゴールデン
  • アルビノ
  • マーブル
  • ブラック

それぞれの特徴を見ていきましょう。

リューシスティック(リューシー)

リューシスティックは、白い体と黒い瞳が特徴で、幼体には黒点があります。

愛好家の間では「リューシー」や「リューシ」と呼ばれます。

ゴールデン

ゴールデンは、全身が黄色っぽく、キラキラとした模様が特徴です。

瞳はピンク色をしています。

アルビノ

アルビノは、白い体とピンクの瞳を持っています。

全体的に色素が薄いのが特徴です。

マーブル

マーブルは、ブラウンやグレーをベースに、黒の斑点(マーブル模様)があるのが特徴です。

色味や模様の出方には個体差があります。

ブラック

ブラックは名前のとおり全身が黒っぽく、瞳も黒いのが特徴です。

色の濃淡には個体差があり、淡い黒から濃い黒まで、さまざまな色合いが存在します。

ウーパールーパーの飼育に必要なもの

ウーパールーパーの飼育に必要なもの

ウーパールーパーを迎える際には、次のようなものを用意しておきましょう。

  • 飼育容器(水槽など)
  • カルキ抜き(塩素の中和剤)
  • 水槽の掃除グッズ
  • 水温計
  • エサ

アイテムごとに、選び方のポイントを解説します。

飼育容器(水槽など)

ウーパールーパーは基本的に水中で生活します。飼育には水槽などの飼育容器が必要です。

25cm程度の大きさまで成長するため、ストレスなく泳げるよう、用意する水槽の幅は45cm以上のものがよいでしょう。

カルキ抜き(塩素の中和剤)

水道水には、消毒のためにカルキ(塩素)が含まれています。

カルキはウーパールーパーの負担になるため、水槽の水はあらかじめカルキを抜いておくことが大切です。

カルキを抜くためには、「カルキ抜き」と呼ばれる塩素の中和剤を使います。

ウーパールーパーの粘膜を保護する成分(有機ポリマーなど)が入った専用のカルキ抜きもあり、便利です。

カルキ抜きを使わず、水道水を2〜3日ほど汲み置きしてカルキを抜く方法もあります。

ただし、水道水を汲み置きする方法は時間も手間もかかるため、手軽かつ確実に水道水に含まれるカルキを中和できるカルキ抜きの使用がおすすめです。

水槽の掃除グッズ

水槽内を掃除するための道具も用意しておきましょう。

汚れやヌメリを取るためのスポンジやスクレーパー、ブラシのほか、水換え用のホースやバケツなどもあると便利です。

水温計

ウーパールーパーを飼育する水槽内の温度は、10〜25度程度に保つ必要があります。

水槽の外側と内側では温度が異なるため、水槽内の温度が測れる水温計は必ず用意しておきましょう。

エサ

ウーパールーパーを飼育する際は、ウーパールーパー用のエサ(人工飼料)を用意します。

野生のウーパールーパーは小魚や虫などを食べますが、ペットとして飼う場合は、栄養バランスのとれた人工飼料が最適です。

ウーパールーパーを飼う際にあると便利なもの

ウーパールーパーを飼う際にあると便利なもの

ウーパールーパーを飼育する際、もし余裕があれば、以下のようなものも用意しておくと便利です。

  • 底砂
  • 隠れ家(土管や鉢など)
  • フィルター(ろ過装置)
  • ピンセット・スポイト
  • 水槽用クーラー・冷却ファン

それぞれ、用途やポイントについて解説します。

底砂

水槽に底砂を敷くとバクテリアが増えやすく、水質の安定に役立ちます。

底砂を敷く場合は、飲み込んでも排泄しやすい細かい天然砂利か、飲み込めない大きさの玉砂利を選びましょう。

隠れ家(土管や鉢など)

夜行性のウーパールーパーは、静かで暗い場所を好みます。

身を隠せる場所として、土管や鉢などを用意しておくのもおすすめです。

ただし、隠れ家を置くと掃除の手間が増えるため、必ずしもに設置する必要はありません。

フィルター(ろ過装置)

フィルターを設置すると水槽内の水がろ過され、水質を保ちやすくなります。

水換えを毎日できる場合は不要ですが、頻繁に水換えができない人は用意したほうがよいでしょう。

ピンセット・スポイト

ピンセットやスポイトはエサやりやゴミ取りに使えるため、あると便利です。

100円ショップなどでも手軽に入手できます。

水槽用クーラー・冷却ファン

ウーパールーパーの適応水温は10〜25度です。

気温が高い夏場は水温も上がりやすいため、クーラーやファンを用意しておくと、より安心できるでしょう。

ウーパールーパーの飼い方のポイント

ウーパールーパーの飼い方のポイント

ウーパールーパーを飼う際のポイントは、以下のとおりです。

  • 基本的には1日1回エサを与える
  • 1〜2日に1回水換えをする
  • フィルター使用時は1〜2週間に1回水換えをする
  • 定期的に水槽とフィルターの掃除をする

項目ごとに見ていきましょう。

基本的には1日1回エサを与える

ウーパールーパーのエサやりの頻度は、基本的に1日1回が目安です。

毎日決まった時間に同じ分量のエサを与えると、日々の体調変化に気付きやすくなります。

また、食べ残しは水が汚れる原因になるため、毎回取り除きましょう。

1〜2日に1回水換えをする

ウーパールーパーの水槽内の水は汚れやすく、1〜2日に1回は水換えが必要です。

水が透明に見えても、ウーパールーパーの排泄物やエサの残りカスなどで汚れています。こまめな水換えを心がけましょう。

フィルター使用時は1〜2週間に1回水換えをする

水槽にフィルターを設置している場合は、水がろ過されるため、水換えの頻度は少なくて済みます。

水の汚れ具合を日々チェックしつつ、1〜2週間に1回を目安に水換えをしましょう。

定期的に水槽とフィルターの掃除をする

ウーパールーパーが快適に過ごせるよう、水槽やフィルターの掃除は定期的に行う必要があります。

水槽の掃除は、水換えをするタイミングでおこなうとよいでしょう。

またフィルターの掃除については、フィルターの機能や水槽のサイズなどによって頻度や方法が異なります。

フィルター掃除の頻度は、一般的には3ヵ月から半年に1回程度が目安ですが、詳しくは取扱説明書を確認してください。

ウーパールーパーを飼う際の注意点

ウーパールーパーを飼う際の注意点

ウーパールーパーを飼う際は、以下の3点に注意しましょう。

  • 水温の管理に気をつける
  • 直射日光を避けて水槽を設置する
  • 共食いしないよう単独で飼育する

気をつけるべきポイントについて、それぞれ解説します。

水温の管理に気をつける

ウーパールーパーを飼育する際は、水槽の水温が10〜25度になるよう、温度管理を徹底しましょう。

夏場や冬場は外気温にともなって水温が上下しやすく、特に注意が必要です。

直射日光を避けて水槽を設置する

直射日光が当たる場所は、水温が上がりやすく危険です。

ウーパールーパーの水槽は、必ず直射日光が当たらない、風通しの良い場所に設置しましょう。

共食いしないよう単独で飼育する

ウーパールーパーは肉食性で、共食いをすることがあるため、基本的に単独での飼育が推奨されます。

特に小さい時期には共食いの傾向が強まるため注意が必要です。もし複数飼育を希望する場合は、体長が約6cm以上になってから行うことをお勧めします。

共食いを極力避けるためには、以下の3つに注意してください。

  • 同じぐらいの大きさの個体を選ぶ
  • 隠れ家を作ってあげる
  • 空腹にさせすぎない

ただし、どれだけ工夫をしても共食いの可能性をゼロにはできません。安全性を考えるなら、別々の水槽で飼うのが得策です。

ウーパールーパーがかかりやすい病気

ウーパールーパーがかかりやすい病気

ウーパールーパーは、次のような病気にかかりやすい傾向があります。

  • 水カビ病
  • 腹水症
  • ぷかぷか病

各症状や対処法について見ていきましょう。

水カビ病

水カビ病とは、ウーパールーパーの体に白い綿のようなカビが生えてしまう病気です。

飼育環境が悪化し、免疫力が低下した際に発症しやすくなります。予防には、水槽を清潔に保つことが重要です。

腹水症

腹水症は、ウーパールーパーの腹部に水分が溜まり、体が膨らむ病気です。原因には感染症、内臓の異常、血栓症、老化、栄養不足などがあります。

発症した場合は、腹水の除去や薬物治療が必要となるため、症状を見つけ次第、速やかに専門の獣医師の診断を受けましょう。

ぷかぷか病

ぷかぷか病は、体内にガスが溜まり、ウーパールーパーが水面に浮かんでしまう疾患です。

水質の劣化、水温の急激な変化、餌の質の低下や過食、老化による体力の衰えなどが原因とされています。重症化すると命に関わることもあるため、異常を感じたら即座に獣医師の診察を受けることが勧められます。

ウーパールーパーを迎える方法

ウーパールーパーを迎える方法

ウーパールーパーは、主に次のようなところで入手できます。

  • ペットショップ
  • インターネット通販

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ペットショップ

ウーパールーパーは、主に爬虫類や熱帯魚などを取り扱うペットショップやホームセンターなどで入手できます。

店舗に直接訪問し、ウーパールーパーの健康状態や活動性を自分の目で確認できる点がメリットです。

インターネット通販

ウーパールーパーは、インターネット通販でも入手できます。

専門のオンラインショップでは、ペットショップでは見かけない特殊なカラーバリエーションのウーパールーパーを扱っていることもあります。

ウーパールーパーの値段・価格相場

ウーパールーパーの値段・価格相場

ウーパールーパーの価格はショップによって差があるものの、2,000〜4,000円程度が相場です。

安価なショップの場合、数百円で手に入ることもあります。

ウーパールーパーに関するよくある質問

ウーパールーパーに関するよくある質問

ここからは、ウーパールーパーに関する以下の質問に答えていきます。

  • オスとメスの見分け方は?
  • ウーパールーパーは飼い主に懐く?
  • ウーパールーパーを素手で触っても平気?
  • ウーパールーパーは他の魚と混泳できる?

それぞれの回答をチェックして、疑問の解消に役立ててください。

オスとメスの見分け方は?

ウーパールーパーのオスは、メスに比べて細身で、肛門付近(排泄孔)が膨らんでいるのが特徴です。

一方、メスは全体的にふっくらしていて、肛門付近が平たくなっています。

ウーパールーパーは飼い主に懐く?

ウーパールーパーは視力が悪いため、飼い主の顔はほとんど見えていません。

ただ、慣れてくると人の手やピンセットからエサを食べてくれるなど、ちょっとしたコミュニケーションを楽しめるようになる場合もあります。

ウーパールーパーを素手で触っても平気?

ウーパールーパーにとって人間の手は熱すぎるため、素手で触ると大きなダメージを与えてしまいかねません。

そのため、基本的には素手でウーパールーパーに触れることは避けてください。

やむを得ず触らなければならない場合は、ゴム手袋を着用するか、水温などで手の表面温度を下げてからにしましょう。

ウーパールーパーは他の魚と混泳できる?

ウーパールーパーと他の魚との混泳は基本的にはおすすめしません。

ウーパールーパーは、自分より小さい生き物をエサと間違えて食べてしまうことがあるためです。

逆に、ウーパールーパーより大きい生き物と混泳させると、ウーパールーパーのエラが食いちぎられてしまうことがあります。

安全を第一に考えるなら、他の生物とは水槽を分けて飼育するようにしましょう。

まとめ:ウーパールーパーの飼育はポイントを知れば意外と簡単!

まとめ:ウーパールーパーの飼育はポイントを知れば意外と簡単!

小さな手足をパタパタ動かしながら、水中を自由に泳ぎ回る姿が可愛らしいウーパールーパー。

エラや手足を失っても元通りに再生したり、幼体のまま大人になったりとユニークな特徴を持った珍しい生物です。

水質や水温の管理を怠らなければ、比較的長生きしやすく、初心者でも安心して飼育できます。

本記事の内容を参考に、ウーパールーパーを迎え入れる準備をはじめてみましょう。



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