アクアリウムの始め方!初心者向けに道具リストや水槽立ち上げ手順を解説
2025.06.03
- 目次
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- アクアリウムとは?
- アクアリウムの魅力と楽しみ方
- 心を癒し安らぎをもたらしてくれる
- 生態系を観察し学べる楽しみがある
- 部屋を彩るインテリアになる
- レイアウトに創造性を発揮できる
- アクアリウム初心者に必要な道具リストと選び方
- 水槽のサイズと選び方
- 必須アイテム一覧
- 水槽のレイアウトと設置場所の決め方
- 水槽の置き場所で気をつけたいポイント
- 底砂・流木・石の配置の基本
- レイアウトのコツと失敗しないポイント
- アクアリウム水槽の立ち上げ手順
- 1. 水槽を設置してレイアウトを整える
- 2. 機器を設置して水を注入する
- 3. バクテリアを定着させる(サイクリング)
- 4. 生体を導入する
- 水槽を維持するためのメンテナンス方法
- 毎日・毎週やるべきこと
- コケの掃除や水換えのコツ
- トラブルを防ぐためのチェックポイント
- 初心者におすすめのアクアリウム環境
- 超小型アクアリウム(ボトルアクアリウム)
- 小型アクアリウム
- アクアテラリウム
- 初心者におすすめの魚・水草
- 飼育しやすい熱帯魚
- 手間が少ない水草
- 生き物を水槽に入れるときの注意ポイント
- 水の温度が合っているか?
- 水質に注意しよう
- 一度にたくさん入れすぎない
- まとめ|好みや生活スタイルに合わせてアクアリウムのある暮らしを楽しもう
アクアリウムを始めたいけれど何を揃えればいいのか、どんな手順で進めればいいのか悩んでいませんか?アクアリウムは正しい知識と手順さえ押さえれば、初心者でも十分に楽しめる趣味です。
この記事では、アクアリウム初心者が成功するための基本的な道具リストから水槽の立ち上げ手順、適した魚や水草の選び方、そして日々のメンテナンス方法まで、順を追って詳しく解説します。これからアクアリウムを始めてみたい方はぜひ最後までご覧ください。
アクアリウムとは?

アクアリウムとは、水生生物を飼育・観賞するための人工的な水槽や、そのなかで作り出される小さな生態系のことを指します。個人宅の小型水槽から水族館のような大規模施設まで幅広く、主に熱帯魚や金魚、水草などを育てることが一般的です。
淡水・海水・汽水といった水質の違いによって飼育できる生物や楽しみ方が多様で、自分だけの水中世界を表現できることが人気の理由です。近年は器具の進歩により管理も容易になり、初心者から上級者まで幅広い層に親しまれています。
アクアリウムの魅力と楽しみ方

アクアリウムの楽しみ方は人それぞれです。ここではアクアリウムならではの4つの魅力についてご紹介します。
心を癒し安らぎをもたらしてくれる
アクアリウムのいちばんの魅力は、見ているだけで心が落ち着いて、リラックスできることです。
水槽の中をのんびり泳ぐ魚たちや、ゆらゆら揺れる水草を見ていると、不思議と気持ちがやわらぎます。水の流れる音や泡のはじける音も耳にやさしくて、気分がスッと軽くなるような感覚になるでしょう。
実際に、水槽を眺めることで「ストレスホルモン」と呼ばれる物質が減ったり、心拍数や血圧が安定したりするということが、研究でもわかっています。
忙しい毎日のなかでも、アクアリウムは手軽に癒しを感じられるアイテムとして人気です。
生態系を観察し学べる楽しみがある
アクアリウムでは、ただ魚を飼うだけでなく、水槽内で小さな生態系を作り出し、その成り立ちや変化を間近で観察できます。魚やエビ、水草が互いに影響し合いながら生きている様子は、まるで自然の縮図のようです。
餌やりや水換え、バクテリアの働きなどを通じて、生き物の成長や繁殖、環境の変化を実感できるため、子どもの教育や大人の知的好奇心を満たす趣味としてピッタリでしょう。
部屋を彩るインテリアになる
アクアリウムは、部屋を彩るインテリアとしても機能します。
最近ではインテリア性を重視した水槽デザインも増えていて、スタイリッシュなフレームレス水槽や、壁に埋め込むタイプの水槽など、様々なデザインが登場しています。
水槽のサイズやレイアウト、照明の工夫次第で、シンプルにも華やかにもアレンジできるため、インテリアの一部として長く楽しめるでしょう。
レイアウトに創造性を発揮できる
アクアリウムの魅力として、自分の創造性を存分に発揮できる点も挙げられます。
水草や流木、石などの素材を組み合わせて水中景観をデザインする過程は、まるで絵画やジオラマを作るような感覚に近いです。自然の風景を再現したり、人工物を取り入れて独自のストーリーを持たせたりと、表現の幅は無限大です。
失敗や試行錯誤もまた楽しみの一部であり、経験を重ねるほどに自分らしい水槽が完成していきます。
アクアリウム初心者に必要な道具リストと選び方

アクアリウムを始める際には、どのような道具を揃えればよいのか迷う方が多いです。ここでは、初心者の方が失敗しにくい水槽のサイズ選びと、最低限必要なアイテムについて解説します。
水槽のサイズと選び方
初心者の方には、30cmから60cm程度の水槽が特におすすめです。このサイズであれば、設置場所の自由度が高く、管理やメンテナンスも比較的簡単におこなえます。
30cm水槽は省スペースで始めやすく、1~2種類の熱帯魚や水草をじっくり観察しながら飼育するのに向いています。一方、45cmや60cm水槽になると水量が増えるため水質が安定しやすく、魚の数や水草のバリエーションを増やすことも可能です。
水槽の素材はガラス製とアクリル製がありますが、初心者にはキズがつきにくく安価なガラス製が適しています。また、水槽の形状については標準的な長方形がレイアウトしやすく管理もしやすいでしょう。
必須アイテム一覧
アクアリウムを始めるためには、水槽本体以外にもいくつかの機材が必要です。
| アイテム | 役割 | 選び方のポイント |
|---|---|---|
| 水槽台 | 水槽の重量を支える | 水槽サイズに合った専用台を選ぶ |
| フィルター | 水をきれいに保つ | 水槽のサイズや生体に合わせて選ぶ |
| ヒーター | 水温を一定に保つ | 水槽の容量に合わせたワット数を選ぶ。サーモスタット付きが安全 |
| 照明 | 観賞用・水草育成用 | LED照明が省エネで長寿命。水草を育てる場合は光量に注意 |
| 底床材 | レイアウト・生態系維持 | 水草を育てる場合は栄養素を含むソイル、観賞魚のみなら砂利でも可 |
| 水質調整剤 | 水道水を生物に適した水にする | カルキ抜き・バクテリア添加剤は必須。pHやGH調整剤は必要に応じて |
| 水温計 | 水温管理に必要 | デジタル式か液晶式がおすすめ |
これらの他に、レイアウト用の岩や流木、ピンセットやハサミなども用意しておくと便利です。予算に応じて段階的に揃えていくこともできますが、フィルター、ヒーター、照明は基本的な機材として最初に揃えることをおすすめします。
水槽のレイアウトと設置場所の決め方

アクアリウムを始める際、水槽の設置場所やレイアウトは美しさだけでなく、管理のしやすさや生体の健康にも大きく影響します。ここでは設置場所の選び方からレイアウトのコツまで、アクアリウム環境を整えるポイントをみていきましょう。
水槽の置き場所で気をつけたいポイント
水槽設置の際に特に注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 水槽台や設置台、床の強度を確認する
- 直射日光が当たる場所は避ける(水温上昇、藻類の異常繁殖の原因になるため)
- エアコンや暖房の風が直接当たる場所は避ける
- フィルターやヒーターなどの電気機器用にコンセントが近くにあることを確認する
- 水換え時の水運びを考慮し、水道やバスルームから近い場所が理想的
これらのポイントを考慮して設置場所を決めることで、日々の管理がしやすくなり、水槽内の環境も安定します。特に初心者は、管理のしやすさを優先して場所を選ぶことをおすすめします。
底砂・流木・石の配置の基本
アクアリウムのレイアウトで最初におこなうのが底床材の敷設と、岩や流木などの「ハードスケープ」と呼ばれる骨格部分の配置です。
底床材は平らに敷くのではなく、前面(手前側)を浅く、後方を深くすることで奥行きを感じさせることができます。
岩や流木を配置する際は、不自然な印象を避けるため奇数個(3個や5個など)を基本に、大小のサイズを組み合わせると自然な印象になります。
全てを対称に置くのではなく、黄金比(画面を約1:1.6で分割した位置)を意識して主役となる岩や流木を配置すると、見栄えの良いレイアウトになるためおすすめです。
レイアウトのコツと失敗しないポイント
初心者が失敗しにくいレイアウトの基本は「三角構図」「凸型構図」「凹型構図」の3つです。
- 三角構図:水槽の片側を高くし、反対側に向かって低くすることで、自然な流れと広がりを感じさせる
- 凸型構図:中央を山のように高くし、左右に向かって低くする方法で、迫力ある景観が作れる
- 凹型構図:両端にボリュームを持たせ、中央を低くすることで奥行きと安定感を演出する
これらの構図を意識してレイアウトしてみましょう。
またレイアウトの際は、ろ過装置やヒーターの位置に注意が必要です。高く盛った部分や水草が密集する場所に機器を隠すとメンテナンスがしにくくなります。機器は空いたスペースや目立たない場所に配置し、必要に応じて水草や流木でさりげなくカバーしましょう。
最初から複雑なレイアウトを目指すより、シンプルで管理しやすいデザインから始めると、長期間きれいな状態を維持しやすくなります。
アクアリウム水槽の立ち上げ手順

アクアリウムを始める際、正しい手順を踏んで水槽を立ち上げることで、生体が健康に過ごせる環境を作りやすくなります。ここでは、初心者の方でも失敗しにくい基本の流れを順を追ってご紹介します。
1. 水槽を設置してレイアウトを整える
はじめに、水槽を設置してレイアウトを整えます。以下のステップに沿って作業しましょう。
- 選んだ場所に水槽台を水平に設置し、その上に水槽を置く
- 底床材を敷く。水草を植える予定なら専用のソイル(水草用土)を、魚のみなら砂利などを使用する
- 岩や流木などのハードスケープ材を配置する。レイアウト材は必ず事前に水洗いするか、流木の場合は煮沸消毒をする
- レイアウトが決まったら、フィルターやヒーターなどの機器を取り付ける位置を確認する。ただし、この段階ではまだ電源は入れない
水草を植える場合は、水を入れる前に植え込むこともできますが、初心者は水を入れた後の方が作業しやすいでしょう。
2. 機器を設置して水を注入する
機材の設置が終わったら、水を注ぎます。
水槽に水を入れるときは、底砂やレイアウトが崩れないように、手や受け皿を使ってゆっくりと注ぐのがコツです。水道水を使う場合は、必ずカルキ抜き(中和剤)を加えて塩素を除去してください。
水を八分目ほどまで入れたら、フィルターやヒーター、照明などの電源を入れて動作確認をおこないます。
3. バクテリアを定着させる(サイクリング)
アクアリウムを始めたばかりの水槽では、すぐに魚を入れずに、まず「サイクリング」と呼ばれる準備期間が必要です。これは、水の中にバクテリアをしっかり増やして、水質を安定させるための大事なステップです。
バクテリアは、魚のフンやエサの食べ残しを分解して、水をキレイに保ってくれる働きをしてくれます。
でも、水槽を立ち上げたばかりだとバクテリアがまだ少ないので、「バクテリア剤」を入れたり、すでに飼育している人から少し水を分けてもらったりするのがオススメです。
1週間から数週間くらい、魚を入れずにフィルターやヒーターを動かしながら「空回し(からまわし)」をします。
この間に、水の中のアンモニアや亜硝酸(どちらも魚にとって有害な物質)が減っているか、水質検査キットを使ってチェックしておきましょう。
4. 生体を導入する
水槽内の環境が安定したら、いよいよ生体を導入します。まずは丈夫な魚を数匹から始めるのがおすすめです。
新しい魚を入れる際は、必ず水温合わせや水合わせをおこないましょう。袋ごと水槽に浮かべて30分ほど水温を合わせた後、バケツなどに移して少しずつ水槽の水を加え、pHや水質の違いに慣れさせます。
最後に魚だけを網ですくって水槽に入れることで、病原菌の持ち込みリスクを減らせます。導入後も魚の様子をよく観察し、異常がないか確認してください。
水槽を維持するためのメンテナンス方法

アクアリウムを長く美しく保つためには、日々のメンテナンスが欠かせません。ここでは水槽を維持するためのメンテナンス方法について解説します。
毎日・毎週やるべきこと
毎日のメンテナンスでは、まず魚の健康状態を観察することが大切です。食欲や泳ぎ方に異変がないか、体表やヒレに傷や白点がないかをチェックしてください。
餌やりは適量を守り、食べ残しが出ないように注意しましょう。水温計で水温を確認し、ヒーターや冷却ファンが正常に動作しているかも確認します。
さらに週に一度は、水槽内のゴミや食べ残しをスポイトや網で取り除き、フィルターの目詰まりがないか点検します。同じタイミングで水換えと掃除もおこないましょう。
コケの掃除や水換えのコツ
コケの掃除では、専用のスクレーパーやスポンジを使います。流木や石についたコケは、歯ブラシなどで丁寧に取り除いてください。
水換えは一度に大量の水を交換しすぎると水質が急変し、生体にストレスを与えてしまいます。1回の水換えは水量の1/3程度を目安にしましょう。
新しい水は必ずカルキ抜きをおこない、温度も水槽と合わせてから注ぐと魚への負担が少なく済みます。
また、水換え後にフィルターの掃除をすると水質が不安定になる可能性があるため、フィルターの掃除は水換えと日を分けておこなうのがベストです。
トラブルを防ぐためのチェックポイント
アクアリウムでは、水がにごったり、魚の元気がなくなったりと、いろいろなトラブルが起きることもあります。定期的なチェックと予防措置で多くの問題を回避できます。日頃から以下のポイントを確認する習慣をつけましょう。
- 定期的にpH、アンモニア、亜硝酸値を測定し、水質をチェックする
- フィルターの目詰まりを点検し、水流が弱くなったら水槽水で優しく洗浄する
- ヒーターの設定温度と実際の水温にずれがないか確認する
- 魚の数や種類に合わせて餌の量を調整する
- 蒸発による水位低下に注意し、定期的に水を足す
- フィルターやヒーターからの異音がないか確認する
- 魚に異常な行動や体色の変化がないかチェックする
特に水質管理は最も重要です。新しい生体を入れた後や、大掛かりなレイアウト変更後は、通常よりも頻繁に水質検査をおこなうことをおすすめします。
初心者におすすめのアクアリウム環境

アクアリウム初心者は、お手入れがしやすくて、失敗しにくい水槽からスタートするのが安心です。ここでは初心者に特におすすめの水槽の種類として、超小型のボトルアクアリウム、一般的な小型水槽、そして水陸両用のアクアテラリウムを紹介します。
超小型アクアリウム(ボトルアクアリウム)
超小型アクアリウム、いわゆるボトルアクアリウムは、ガラス瓶や小さな容器を使って楽しむスタイルです。
初期費用が1,000円程度からと安価で、必要な道具もほとんど100円ショップで揃えることができます。設置場所を選ばず、デスクや棚の上などちょっとしたスペースに置けるのが大きな魅力です。
ただし、水量が少ない分、水質や水温の変化が激しくなりやすいため、こまめな水換えや観察が欠かせません。掃除や水換えの手間はかかりますが、大がかりな設備が不要で、初心者でも気軽に始められるアクアリウムです。
小型アクアリウム
小型アクアリウムは、30cm前後の水槽や10リットル以上の容器を使うスタイルで、初心者にも扱いやすいサイズ感が特徴です。
最近は、ろ過フィルターやライトがセットになった「小型水槽セット」も多く販売されていて、必要な機材を一度に揃えられるので、スタートがとても簡単です。
レイアウトの自由度も高く、背の高い水草や流木、石を使った本格的な景観作りも楽しめます。管理の手間も比較的少なく、初心者が長く続けやすいアクアリウム環境です。
アクアテラリウム
アクアテラリウムは、水中と陸上の両方の景観を一つの水槽で楽しめるスタイルです。水中部分には熱帯魚やメダカなどを、陸上部分には観葉植物や苔、場合によってはカエルやイモリなども一緒に飼育できます。
自然の一部を切り取ったようなレイアウトが作れるため、インテリア性も非常に高いです。最近は、専用のアクアテラリウム水槽やレイアウト資材も豊富に販売されていて、初心者でも比較的簡単に始められます。
自分だけの小さな自然を作りたい方、植物や生き物が好きな方に特におすすめの環境です。
初心者におすすめの魚・水草

アクアリウムを始めたばかりの初心者は、丈夫で管理が比較的容易な生体を選ぶことが大切です。ここでは特に初心者に向いている熱帯魚と水草の種類を紹介します。
飼育しやすい熱帯魚
初心者におすすめの熱帯魚は、丈夫で水質の変化に強く、温和な性格で混泳しやすい種類が中心です。
- ネオンテトラ:鮮やかな青と赤のラインが美しく、群泳させると水槽が一気に華やかになる
- グッピー:カラフルな体色と繁殖のしやすさが魅力
- プラティ:丸みのある体型と丈夫さで知られ、さまざまな色や模様を楽しめる
- コリドラス:底砂をつついて掃除をしてくれる「お掃除屋さん」としても有名で、他の魚とも相性が良い
これらの魚は性格が温和なため、複数匹を一緒に飼う「混泳」も楽しみやすいです。
その他、初心者におすすめの飼育しやすい熱帯魚は以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:熱帯魚の飼い方入門!初めてでも安心な始め方や飼いやすい10種を解説
手間が少ない水草
水草を選ぶ際は、強い光やCO2(二酸化炭素)の添加が不要で、丈夫な種類が初心者向きです。
- アヌビアス・ナナ:幅広い環境に適応しやすく、流木や石に活着させて育てることができる。葉が厚くて丈夫なため、枯れにくく管理も簡単
- ウィローモス:苔の仲間で、光量が少なくても育ち、流木や石に巻き付けてレイアウトできる。成長がゆっくりなのでトリミングの手間も少なく、エビの隠れ家にもなる
- ミクロソリウム:シダの仲間で、強い光がなくても育ち、CO2の添加も不要
- アナカリス:成長が早く、浮かべておくだけで育つため、管理が楽
これらの水草は水質浄化にも役立ち、水槽の安定化にも貢献してくれます。
生き物を水槽に入れるときの注意ポイント

アクアリウムを始める際、最も緊張するのが生き物を水槽に導入する瞬間ではないでしょうか。ここでは、水温や水質の合わせ方、導入数の注意点について解説します。
水の温度が合っているか?
新しく購入した魚やエビを水槽に入れる際は、まず水温をしっかり合わせることが大切です。
生体は温度変化に非常に敏感で、急激な温度差は大きなストレスや体調不良の原因となります。一般的には、生体が入った袋を開けずにそのまま水槽に30分ほど浮かべておき、袋の中の水温と水槽の水温を同じにします。
冬場や夏場は特に温度差が大きくなりやすいため、時間をかけてゆっくりと温度を合わせてください。水温が合ったことを確認してから、次の水質合わせの工程に進みます。
水質に注意しよう
水温が合った後は、水質の違いにも注意が必要です。ショップや配送で使われていた水と自宅の水槽の水質は、pHや硬度、成分が異なることが多いため、急に移すと生体がショックを受けてしまいます。
水質合わせの基本は、袋の水を少しずつ捨てて同じ量だけ水槽の水を加える作業を数回に分けておこない、徐々に水質を慣らしていくことです。時間をかけて段階的に水質を合わせることで、生体への負担を最小限に抑えられます。
最後は生体だけをネットですくって水槽に移し、袋やバケツの水は水槽に入れないようにしましょう。
一度にたくさん入れすぎない
水槽に生体を導入する際は、一度に多くの魚やエビを入れすぎないように注意が必要です。
立ち上げたばかりの水槽や、バクテリアがまだ十分に繁殖していない環境では、生体の数が多いと水質が急激に悪化しやすくなります。まずは少数から始めて、水質や生体の様子を観察しながら徐々に数を増やしていくことが大切です。
急激に生体数を増やすと、バクテリアの処理能力を超えてしまい、魚が病気になったり死んでしまうリスクが高まります。水槽の環境が安定してから、適正な数を守りながら生体を追加しましょう。
まとめ|好みや生活スタイルに合わせてアクアリウムのある暮らしを楽しもう

アクアリウムを始める際は、本記事で紹介した基本的な機材選びや水槽の立ち上げ手順、適切なメンテナンス方法を参考に、焦らず一歩ずつ進めることが大切です。特に初心者の方は、飼育しやすい魚や育てやすい水草から始め、経験を積みながら徐々にチャレンジの幅を広げていくことをおすすめします。
自分のライフスタイルや好みに合わせたアクアリウムスタイルを見つけ、長く続けられる趣味として楽しんでください。