カピバラをペットにできる?飼育の注意点や食べ物をわかりやすく解説

2025.10.30

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動物園で人気を集めるカピバラ。のんびりと日向ぼっこをしたり温泉に入ったりする姿を見て、「飼ってみたい!」と思った方もいるのではないでしょうか?

しかし、カピバラには、飼育の難しさを感じる特徴や習性があります。温厚なカピバラと楽しくふれ合うためにも、生態や飼い方についての正しい理解が大切です。

本記事ではカピバラの生態や習性、ペットとして飼育するための環境や餌の与え方などを解説します。本格的な飼育を検討する前に、まずは動物への正しい理解を深めてみましょう。

カピバラとはどんな動物?

カピバラとはどんな動物?

カピバラは、南米に生息しているネズミの仲間(げっ歯目)です。ネズミの仲間では最大種であり、体長105〜135cm、体重35〜65kg程度まで成長します。

項目 内容
分類 哺乳綱 げっ歯目 カピバラ科 カピバラ属
学名 Hydrochoerus hydrochaeris
英語名 Capybara
生息域 南米
寿命 約10年(飼育下)

カピバラは草や水草を主食とする草食動物です。湿地帯や熱帯雨林など、南米の温暖な地域に広がる水辺に生息しています。

可愛らしい見た目の特徴

可愛らしい見た目の特徴

カピバラが人気を集める理由のひとつは、愛嬌のある見た目です。ずんぐりとした体型や穏やかな表情は、見ているだけで癒やされます。

実はカピバラの体のつくりは、彼らが生息する水辺の環境に適応した機能的なデザインです。ここでは、カピバラの「顔」「前歯」「体」という3つのパーツに注目し、それぞれの特徴を詳しく解説します。

顔の特徴

顔の特徴

カピバラの顔には、水辺で生活するための特徴が備わっています。

特徴 備考
耳・目・鼻の配置 「耳・目・鼻」が一直線に並んでいる
モリージョ オスの鼻の上部に毛が薄い部分「モリージョ(臭腺)」がある

カピバラの「耳・目・鼻」の配置は、一直線に並んでいます。その理由は体の大半を水中に隠したまま、水面から周囲の様子や音を確認するためです。天敵であるジャガーやワニなどから身を守るうえで、重要な役割を果たしています。

また、オスの鼻の上部にある、こぶのような黒い部位「モリージョ(臭腺)」も特徴的です。モリージョは成熟したオスに見られる特徴であり、木の枝や柱などにこすりつけて自分のにおいをマーキングします。

縄張りを主張したり、メスにアピールしたりするための役割があるため、モリージョはメスには見られない特徴です。オスとメスを見分けるときのポイントとして注目してみましょう。

前歯の特徴

前歯の特徴

カピバラの大きく発達する前歯は、ネズミの仲間(げっ歯目)の象徴的な特徴です。「常生歯(じょうせいし)」と呼ばれる丈夫な前歯が一生伸び続けます。

カピバラの前歯は、牧草や水草を食べるたびに少しずつすり減っていくのも特徴的です。そのため、歯が伸び続けることで、常にエサを食べやすい長さが維持されています。

しかし、前歯が伸びすぎてしまうと、口を閉じられなくなったり、エサが食べづらくなったりする「不正咬合(ふせいこうごう)」という状態に陥る可能性も。歯の長さを調整するため、木の枝や小石などの硬いものをかじる習性もあります。動物園で木の枝や小石をかじっているカピバラの姿を見かけたら、それは歯の健康を保つための大切な行動です。

体の特徴

体の特徴

カピバラの体には、陸上と水中の生活に適応したいくつかの特徴があります。

  • 指の間に水かきがある
  • 体毛がたわしのように硬い
  • ネズミの仲間だけどシッポがない

代表的な体の特徴は、指の間にある「水かき」です。陸上ではのんびりと歩くカピバラも、水中ではスムーズに泳げます。

また、カピバラの体毛は、たわしのように硬い手触りです。これは水に濡れた体毛を乾きやすくするためで、体を震わせるだけで効率よく水を落とせます。

カピバラの習性

カピバラの習性

動物園でのんびりと過ごす姿から、カピバラには一日中じっとしているイメージがあるかもしれません。しかし、野生のカピバラには、あまり知られていない習性が見られます。

カピバラの習性を知ると、より深く動物園での観察を楽しめるはずです。そこで、あまり知られていないカピバラの3つの習性について詳しく解説していきます。

群れで行動する

群れで行動する

カピバラは基本的に群れをつくって生活する動物です。野生下では、10〜20頭ほどのグループで行動しています。

群れは、1頭のオスを中心に、複数のメスとそのこどもたちで構成されるのが一般的です。リーダーであるオスは、他のオスが侵入してこないようにマーキングをして縄張りを守ります。

寒さが苦手

寒さが苦手

南米の温暖な熱帯地方に生息するカピバラは、寒さが苦手です。そのため、気温が下がる時期には、群れ全体で体を寄せ合いながら暖をとる習性があります。

日本の動物園や温泉地では、寒い時期に実施される「カピバラの露天風呂」が恒例イベントになっています。寒さが苦手なカピバラのために、体温を保てる「ぬるめのお湯」を用意するのが飼育上の工夫です。カピバラたちが気持ちよさそうに露天風呂に浸かる姿は、来園者からも大人気です。

明け方や夕暮れ時が活発

明け方や夕暮れ時が活発

カピバラは、主に明け方や夕暮れ時の涼しい時間帯に活発に行動する動物です。日中の暑い時間帯には、水辺で体を冷やしたり日陰で休息したりしています。

また、カピバラの天敵には、ジャガーやアナコンダといった夜行性の生き物も多く存在します。そのため、天敵が活動する夜間に行動する姿もあまり見られません。

動物園でカピバラを見ると、日中に日向ぼっこやお昼寝をする姿が印象的です。飼育下では天敵に襲われる心配が少ないため、のんびりとリラックスして過ごす様子が楽しめます。

カピバラのエサはどんな食べ物?

カピバラのエサはどんな食べ物?

草食動物のカピバラは、野生下では水草や木の皮などを食べて生活しています。動物園ではニンジンやキャベツなどの野菜を食べている姿が印象的ですが、実は主食というわけではありません。

飼育されているカピバラには、健康を維持するための栄養バランスを考慮したエサが与えられています。そこで、カピバラの食事内容を「主食」と「副食」に分けて詳しく解説します。

主食となる牧草

カピバラの食事の基本であり、もっとも重要な食べ物は牧草です。特に「チモシー」と呼ばれるイネ科の干し草が主食として与えられます。

カピバラの消化器官の働きを正常に保つためには、繊維質が豊富なチモシーが欠かせません。また、すりつぶすようにして食べる硬い牧草には、歯の伸びすぎを防ぐ役割もあります。

チモシーは、ウサギやモルモットなどのエサとしても広く利用される牧草です。一般的なペットショップやホームセンターでも購入できるため、カピバラの飼育時に安定供給しやすいメリットがあります。

動物園によっては、刈りたての新鮮なイネ科の草や笹の葉を混ぜて、食事に変化を加えることもあるそうです。

副食となる野菜や果物

牧草だけでは補いきれないビタミンやミネラルを摂取するため、動物園では副食として以下のような野菜や果物も与えています。

  • キャベツ
  • サツマイモ
  • ニンジン
  • リンゴ
  • 小松菜

また、細かな栄養バランスを整えるため、草食動物用の固形飼料「ペレット」も食事に取り入れられています。特にモルモット用のペレットは、カピバラが体内で生成できない「ビタミンC」を補うのに効果的です。ちなみに、カピバラとモルモットは、どちらもテンジクネズミ科に属する近縁種です。

カピバラはペットとして飼える?

カピバラはペットとして飼える?

穏やかな性格と愛らしい見た目から「カピバラをペットとして飼ってみたい」と考える人もいるかもしれません。

結論からいうと、カピバラの飼育は法律で禁止されていません。ただし、以下の理由から一般家庭でペットとして迎えるのは現実的ではありません。

  • 飼育環境を整えるのが難しい
  • 購入価格の相場は60~70万円

ここでは、カピバラをペットとして飼育するうえでの具体的な課題について解説します。

ペットとしての飼育は禁止されていない

カピバラをペットとして飼育する行為は、日本の法律で禁止されていません。以下のように「飼ってはいけない動物」に該当していないため、特別な許可や届け出も原則として不要です。

区分 法律 該当する動物例
危険な動物 動物愛護管理法 ゾウ、ライオン、クマなど
希少な動物 文化財保護法 トキ、ニホンカモシカなど
外来生物 外来生物法 アライグマ、ヌートリアなど

ただし、法的に飼育が認められていても、一般家庭で飼育するのは現実的ではありません。カピバラは成体になると体重が50kgを超える大型の動物であり、生息域や習性も一般的なペットとは異なります。

飼育環境を整えるのが難しい

カピバラの飼育が現実的でない理由は、生態に合わせた飼育環境の用意が極めて難しいからです。カピバラは南米の水辺に生息する半水生の動物であり、水浴びできるスペースが欠かせません。

皮膚が乾燥に弱いため、定期的に水に入らないと皮膚病にかかるリスクも高まります。そのため、飼育下では、体がすっぽりと浸かれる大きさのプールが必須です。

さらに、体重50kgを超える大きな体が自由に走り回れるだけの、広大かつ安全なスペースも確保しなければなりません。一般的な家庭では、上記のような条件を満たす庭や室内スペースの確保は困難です。

また、自治体によっては、カピバラのような大型動物の飼育に関する「独自の条例」を定めている場合もあります。飼育を検討する際には飼育計画書を作成し、自治体の担当部署に相談するのが賢明です。

購入価格の相場は60~70万円

カピバラの購入価格は、60〜70万円が相場です。取り扱っているペットショップやブリーダーによって価格は異なりますが、一般的なペットと比較しても高額です。

カピバラの飼育にかかる費用は、購入価格だけではありません。初期費用としてもっとも大きな負担となるのは、飼育環境を整えるための設備投資です。

  • 泳げる広さの専用プール
  • 走り回れる広さの庭
  • 脱走防止の頑丈なフェンス

また、毎日のエサ代やプールの水道代など、継続的な維持費も高額になると想定できます。上記のような費用を考慮すると、カピバラをペットとして迎えるのは経済的な負担が非常に大きいといえるでしょう。

カピバラの飼育で注意すべきことは?

カピバラの飼育で注意すべきことは?

カピバラを家族として迎えるには、生態や習性を深く理解し、適切なケアをする覚悟が求められます。見た目の穏やかさとは裏腹に、飼育するうえでの注意点も少なくありません。

ここからは、特に注意すべき上記のポイントを解説します。カピバラと飼い主が良好な関係を築くためにも、あらかじめ注意点を知っておくことが欠かせません。

エサを食べる量が多い

カピバラを飼育するうえで直面する課題は、食事量の多さです。個体差はありますが、成体のカピバラであれば1日に約3〜5kgものエサを食べます。

主食である牧草や副食となる野菜やペレットを合わせた量であり、毎日欠かさず用意しなければなりません。エサの量が多いため、毎日の飼育費が高額になることも想定されます。

また、食欲旺盛なカピバラですが、短時間に大量のエサを与えると消化不良による下痢を起こす可能性があります。そのため、毎日数回に分けてエサを与えるなど、食事の管理には細かな配慮も必要です。

ウンチの回数と量が多い

カピバラは食事量が多いため、当然ながら排泄物の量も多くなります。特に繊維質の多い牧草を主食とする草食動物は、消化の過程で頻繁にウンチをするのが特徴的です。カピバラも大きな体に見合った量のウンチを毎日するため、飼育スペースの衛生管理が欠かせません。

さらに、カピバラには水中で排泄する習性があります。この習性は、野生下で天敵に自分の居場所や痕跡を知られないようにするための行動です。

そのため、飼育用のプールは、毎日のウンチで汚れてしまいます。皮膚病を防ぐための衛生的な環境を保つためには、プールの清掃や水の入れ替えを頻繁におこなう対策も必要です。

前歯の手入れが必要

カピバラの大きな前歯は、一生伸び続ける「常生歯」です。野生下では硬い草や木の皮などをかじることで、自然に歯を削りながら適切な長さを保ちます。

しかし、飼育下では歯を削る機会が不足しがちです。放置すると歯が伸びすぎてしまう「不正咬合」という状態に陥り、カピバラの健康を損なう可能性もあります。

カピバラの前歯の健康を維持するためには、飼育スペースに毒性のない木の枝や石などを置いておくのが効果的です。ただし、自然に削れず伸びすぎてしまった場合は、動物病院で専門的な処置を依頼しましょう。

まとめ|まずは動物園や水族館でカピバラとのふれあいを楽しんでみよう!

まとめ|まずは動物園や水族館でカピバラとのふれあいを楽しんでみよう!

動物園でのんびりと暮らしている印象のあるカピバラですが、飼育環境を整えたりエサを毎日用意したりする難しさがあります。ネズミの仲間でも最大種となるため、小動物のように自宅での飼育に適した生き物ではありません。

水辺に生息するカピバラは、日本の動物園や水族館でも比較的多く見られる動物です。エサやり体験も実施しているので、安易に飼育を検討するのではなく、各施設でふれあいを楽しむことから始めてみましょう。

覚悟をもって一緒に暮らすことを決心したときは、本記事で解説したようにカピバラが快適に暮らせるような飼育環境を整えてみてください。



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