カメの寿命はどれくらい?種類ごとの違いと長生きする理由

2026.06.30

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「カメは万年」という言葉があるように、カメといえば長寿だというイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、実際のカメの寿命はどれくらい長いのでしょうか。寿命を知らずにペットとしてカメを飼い始めると、想像していた以上に長い付き合いになることもありえます。

本記事では、カメの寿命の目安、種類ごとの違い、長生きの理由、飼う前に知っておきたいことを解説します。

カメの基本情報

ロシアリクガメ

カメは爬虫類に分類される動物です。爬虫類の主な特徴には、硬い皮膚やうろこを持つこと、肺で呼吸すること、卵で生まれてくることなどがあります。

カメの基本的な特徴について、表にまとめました。

項目 内容
分類 爬虫綱・カメ目
呼吸 肺呼吸
体温 変温動物
繁殖 卵生
特徴 背中に甲羅がある・首をひっこめる
暮らす場所 河川や沼・陸上・海 など

カメは爬虫類の仲間

カメは、ヘビやトカゲと同じグループである爬虫類の仲間です。4本の足を持ち、卵から生まれてきます。

カメには水中で長く過ごす種類もいるため、「両生類ではないの?」という印象を持つこともあるかもしれません。しかし水中で過ごすカメも、えらや皮膚ではなく肺で空気を取り込んで呼吸しています。そのため、水面に上がって息をする必要があります。

また、カメは変温動物です。変温動物とは、まわりの温度によって体温が変わる動物のことです。人のように体温を一定に保つしくみではないため、体を温めるときは日光浴をし、暑すぎるときは水中や日陰に移動するなど、環境を使い分けながら活動します。

首を甲羅のなかにひっこめる姿も、カメの行動としてよく知られていますが、実は首を甲羅のなかにひっこめる動作は、すべてのカメができるわけではありません。カメのなかには、首をしまうときに甲羅のなかへひっこめる種類と、首を横に曲げる種類がいます。日本で身近に見られるカメの多くは、首を甲羅のなかへひっこめる種類であるため、「カメは首をひっこめる」というイメージはそこから来ていると考えられます。

甲羅と骨格が一体になった体のつくり

カメの大きな特徴は、体をおおう甲羅です。甲羅は背中側の「背甲」と、おなか側の「腹甲」に分けられます。カメの甲羅は体の骨格とつながっていて、血管や神経も通っています。そのため、甲羅をぶつけたり傷つけたりすると、カメの体にも負担がかかります。

また、カメは成長に合わせて皮膚や甲羅の表面がはがれる「脱皮」をおこないますが、この時も甲羅そのものを脱いだり、体から外したりすることはありません。

甲羅の形や大きさは種類による違いがあり、水中で泳ぎやすい形、陸上で体を支えやすい形など、暮らし方に応じて変わります。

カメの仲間が暮らす場所

カメの仲間には、淡水とその近くで暮らす種類、陸上で生活する種類、海で暮らす種類がいます。

淡水に住むカメは、池や川、沼などの淡水とその周辺で見られることがあります。水の中で過ごす時間が長い一方で、陸に上がって日光浴をすることもあります。このようなカメは「水棲カメ」や「半水棲カメ」と呼ばれます。

リクガメは主に陸上で生活するカメです。足は歩くためにしっかりしていて、種類によっては大きな体になります。ウミガメは海での生活に合った体を持ち、前あしをひれのように使って泳ぎます。

このように、カメの仲間は種類によって体のつくりや生活環境に幅があります。

カメの寿命はどれくらい?

ゾウガメ

カメの寿命は、種類や体の大きさ、野生か飼育下か、などによって幅があります。20年~30年ほど生きる種類もいれば、50年以上生きる種類もいます。大型のリクガメでは、100年を超えるほど長く生きる例があることも知られています。

暮らす場所 主な種類 寿命の目安
淡水 アカミミガメ、クサガメ、イシガメなど 20年~30年ほど
陸上 ヘルマンリクガメ、ケヅメリクガメなど 30年~50年以上
アオウミガメ、アカウミガメなど 推定70年以上

種類別に詳しく見ていきましょう。

淡水で暮らすカメの寿命

池や川、沼など、淡水の水辺で暮らすカメは、ミズガメと呼ばれます。日本でよく知られている種類としては、アカミミガメ、クサガメ、イシガメなどが挙げられます。この淡水カメの仲間には、ニホンイシガメなど、もともと日本だけに住んでいる種類もいます。

これらのカメには人に慣れやすい性質があり、ペットとしてもよく飼われています。寿命は、おおむね20年から30年程度です。

ペットとして飼う場合は、飼い主が環境をととのえ、まめにお世話をすることで、長く生きる可能性があります。

陸上で暮らすカメの寿命

リクガメは、主に陸上で暮らすカメです。種類によって体のサイズには差があり、小型の種類もいれば、かなり大型になる種類もいます。寿命も長いものが多く、30年から種類によっては50年以上生きることがあります。

特に大型のリクガメでは、とても長く生きる個体が出てくることがあります。たとえば海外に住むアルダブラゾウガメの「ジョナサン」は、2022年に190歳を迎え、ギネス世界記録で「最高齢のカメ目」として紹介されました。カメが長寿であることを印象づける例のひとつといえます。

ペットとしてリクガメを飼う場合は、こちらも適切な環境できちんとお世話をすることで、淡水カメと同じくらいか、それ以上に長生きする可能性があります。

海で暮らすウミガメの寿命

ウミガメは海で暮らすカメの仲間で、ウミガメ科とオサガメ科の総称です。長く生きる種類として、アオウミガメやアカウミガメなどが知られており、70年以上生きると考えられています。ただし、野生のウミガメの寿命はまだ詳しくわかっていない部分も多く、研究が進められている途中といえます。

卵からかえったウミガメの子は海へ向かい、成長してから産卵のために砂浜へ戻りますが、成長のために長い時間がかかる場合があるとわかっています。アオウミガメでは、甲長60cmから90cmになるまで約23年かかった例が知られています。

一方で、野生ではすべての個体が長く生きられるわけではありません。回遊中の事故、産卵できる砂浜の環境変化、海洋のごみなどの影響を受けるため、野生のウミガメは、飼育下のウミガメよりも寿命が短くなることがあるようです。

カメの寿命が長いのはなぜ?

ウミガメ

カメはなぜ寿命が長いのでしょうか。まだ完全には解明されていない点もありますが、ゆっくり成長する体のしくみ、身を守る甲羅、老化の進み方などが関係すると考えられています。順番に見ていきましょう。

ゆっくり成長する体のしくみ

カメは変温動物のため、体温を一定に保つ生き物である哺乳類や鳥類に比べると、体温を保つために使うエネルギーが少ないと考えられます。まわりの気温や水温に合わせて活動の量も変わり、寒い時期には動きが少なくなることがあります。冬眠をする種類もいます。

体のなかでエネルギーを使い、生命活動を続ける働きは「代謝(たいしゃ)」と呼ばれます。生き物が活動する量や成長のスピードには、この代謝が関係していますが、カメでは、代謝がゆっくりとおこなわれ、エネルギーを使うペースが比較的ゆるやかであるとされています。寒い時期にあまり動かないことに加え、ウミガメなどが何十年もかけて大きくなっていくことも、その一例といえるでしょう。

すぐに成体の大きさになる動物とは違って、カメはゆっくりとしたペースで成長しながら長い年月を生きていると考えられます。

身を守るための甲羅

カメの甲羅は、外敵や衝撃から体を守る役割を持っています。動きが速くないカメにとって、敵に見つかったときにすばやく逃げて身を守るのは難しいことがあります。その代わりに、硬い甲羅によって、攻撃された場合にも体を守るつくりになっています。

また、甲羅の見た目は、すみかの風景にまぎれやすい場合があります。土や落ち葉、水辺の石のような色合いに見える種類もいて、じっとしていると敵に見つかりにくい場合があります。

さらに甲羅は、冬眠中のカメの健康にも関わるとされています。冬眠する種類のなかには、活動が少ない時期にも健康状態を保つために、甲羅に含まれるミネラルが活用されているものがいます。

このように甲羅は、カメの命や健康をささえていると考えられます。

老化の進み方も遅い可能性がある

人を含む多くの哺乳類や鳥類では、年をとるにつれて老化し、体が衰えたり病気にかかりやすくなったりします。しかし、飼育下では、多くの種類のカメにおいて、老化の進み方が遅い、またはほとんど見られないことがわかっています。

ただし、不老不死というわけではありません。老化しにくい状態でも、病気やけが、事故などによって命を落とすこと自体はありえます。年齢を重ねたからといって、体が急に弱っていくわけではない、と考えることができます。

こうした体のしくみも、カメの寿命の長さに関わっていると見られています。

長生きするカメの飼育で気をつけたいこと

タイリクミナミイシガメ

カメを飼う場合は、犬や猫などの他のペット以上に、長生きであることを意識する必要があります。種類によっては10年以上、場合によっては数十年単位の付き合いになるため、それに合わせた心構えをしておきたいところです。

寿命が長い分、飼育期間も長くなる

カメの飼育期間は、種類にもよりますが数十年単位になる場合があります。飼育期間が長いほど、進学や就職、引っ越しなど、飼い主自身の生活環境の変化をともに経験することになります。エサ代、設備代、電気代、通院費などの負担も、長期的に続く可能性があります。

寿命が長いことは魅力でもありますが、飼い主にとっては長い期間にわたって責任を持つことにもなります。カメを迎える前には、数年後、数十年後になっても飼い続けられるかを考えておく必要があります。

成長後の体に合う環境が必要

ペットショップなどで見かける小さなカメも、成長すると体が大きくなり、必要なスペースも変わります。子ガメのころはちょうどよいサイズだった水槽や飼育ケースでも、成体になると狭くなってしまうことがあります。

淡水で暮らすカメには、泳ぐための水場と体を乾かして休む足場の両方が必要になり、リクガメの場合は歩き回れる広さが求められます。このように種類によって必要な環境も変わるため、飼い始める前にそのカメの成長後の大きさを調べ、十分な広さの環境を準備することが大切です。

広さ以外にも、カメが長く健康に暮らすための基本条件はいくつかあります。日々のエサやりに加え、水質や温度をととのえることや、日光浴できる環境や紫外線ライトを用意することなどです。

カメにとって十分な環境を用意し、長期間お世話することはできそうか、最初に考えておくことが大切になります。

飼育に法律上のルールが関わる種類がいる

カメのなかには、飼育や扱いに法律上のルールが関わる種類がいます。代表的な例がアカミミガメです。アカミミガメは条件付特定外来生物に指定されています。条件付特定外来生物とは、飼っていること自体に問題はない一方で、放したり有料で譲ったりすることが規制されている生き物のことです。

一般家庭ですでに飼っているアカミミガメは、手続きなしで飼い続けることができますが、生きた個体を野外に放すことは禁止されています。飼えなくなったときに池や川に放す、逃げたからそのままにする、といった行為は法律違反になる場合があります。

すでに見てきたように、アカミミガメは長く生きるため、飼い主の生活環境の変化をともに経験することになります。飼育を始める前には法律上のルールをふまえたうえで、最後までお世話を続けられるか、また万が一のときには大切に飼ってくれる新しい飼い主を探せるかどうかまで考えておくことが大切です。

参考:環境省「日本の外来種対策 条件付特定外来生物アカミミガメ・アメリカザリガニの規制について

まとめ|カメの寿命を知ることは、生態を知りともに生きること

ビルマハコガメ

カメの寿命は種類によって異なり、淡水で暮らすカメには20年~30年ほど、リクガメには50年以上生きる種類もいます。長く生きる背景には、成長のしかたや甲羅などの体のしくみが関係していると考えられています。

カメを飼育する場合は、寿命の長さを「長く一緒にいられる」ととらえると同時に、成長後の飼育環境や日々のお世話について考え、法律上のルールまで知っておくことが大切です。カメの寿命について知ることは、カメの生態を理解し、責任を持って向き合うための第一歩になります。

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カメへの身近な興味を入り口に、生き物を知り、ともに生きる姿勢を育んでいきましょう。



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