動物看護師の仕事に就きたいと考えている人のなかには、「動物看護師の給料はいくら？」「年収アップも目指せる？」といった疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、これまで多くの動物看護師を輩出してきたTCA東京ECO動物海洋専門学校が、動物看護師の給料について解説します。
給料を上げる方法についての情報も紹介していくので、ぜひ最後まで読み進めてください。
記事の概要
動物看護師とは？
動物看護師とは、獣医師による診察や治療を補助する役割が求められる仕事です。
主な業務としては、下記が挙げられます。
- 病院の窓口対応
- 診察や治療のサポート
- 薬剤関連の業務
- 入院中の動物のお世話
- 経過観察の記録
など
動物看護師の詳しい仕事内容などは「愛玩動物看護師とは？国家資格化に関する情報や仕事内容を紹介！」の記事にて紹介しています。こちらもあわせて参考にしてください。
動物看護師の給料はどれくらい？
この章では、動物看護師の給料について、求人サイトの情報をもとに「年収」「月収」「賞与（ボーナス）」に分けて紹介していきます。
参考：動物看護師の仕事・求人情報｜求人ボックス
参考：動物看護師の求人 | Indeed (インディード)
年収
動物看護師の平均年収は約306万円です。
給与幅としては170〜650万円前後と広く、勤務先や雇用形態、求められるスキルなどによって大きく異なります。
なお、年収の内訳は「月収」「各種手当」「賞与（ボーナス）」です。手当や賞与の有無によっても年収には変動があります。
月収
動物看護師の月収の目安は、17〜25万円前後です。
アルバイトやパート、派遣社員としての雇用の場合は、時給制が多い傾向があります。
時給は経験やスキルに応じて異なりますが、1,000〜1,200円前後が目安です。
賞与（ボーナス）
一般的な企業では、勤務先の業績によって賞与（ボーナス）が支給されることがあります。
動物看護師の場合、年に1〜2回、基本給✕1〜2ヵ月分支給されるケースが多いようです。また、勤続年数や仕事への貢献度によって、賞与の金額を決めているところもあります。
ただし、賞与は必ずしも支給されるとは限らず、まったく支給されないケースも珍しくありません。
動物看護師の給料は他の業種と比べて高い？低い？
国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は443万円とされています。
一方、動物看護師の平均年収は約306万円です。日本の平均年収と比較すると低めの水準であることがわかります。
その他の動物に関わる仕事の平均年収は、以下のとおりです。
- 飼育員 約308万円
- トリマー 約327万円
- ペットショップ店員 約321万円
飼育員やトリマー、ペットショップ店員の給料は、動物看護師の給料とそれほど大きな差はありません。
動物看護師の給料を上げるには？
動物看護師の給料を上げるポイントは、主に次の3つです。
- 経験を積みスキルアップを図る
- 手当を最大限に活用する
- より給料が高い勤務先に転職する
順番に詳しく見ていきましょう。
経験を積みスキルアップを図る
動物看護師の給料は、経験を積んでスキルアップすることで上げられる可能性があります。
勤続年数だけでなく、従業員の頑張りを評価してくれる勤務先であれば、昇給のほか、インセンティブの支給なども期待できます。
また、転職市場では経験者が優遇されるケースが多く、経験に応じて基本給が高めのスタートになることも少なくありません。
手当を最大限に活用する
動物看護師が給料アップを目指すには、基本給の他に支給される「手当」を活用することもポイントです。
手当の有無は勤務先によって異なりますが、主に以下のような種類があります。
- 夜勤手当
- 残業手当
- 時間外手当
- 役職手当
- 住宅手当
- 通勤手当
- 資格手当
- 皆勤手当
資格手当や皆勤手当など、自分の努力次第で得られる手当もあります。勤務先にどのような手当があるのか確認し、最大限に活用しましょう。
より給料が高い勤務先に転職する
今の職場で昇給が見込めない場合は、より給料が高い勤務先に転職するのも1つの方法です。
同じ職種でも、勤務先の所在地や規模、担当する仕事の範囲などによって、給料が大きく変化するケースは少なくありません。
たとえば、地方の個人病院で働いていた動物看護師が、都心にある24時間体制の大きな動物病院に転職して、月収が数十万円アップするということもあります。
「動物看護師はやりがいがあるけど、給料が安い」と悩んでいる人は、職種を変える前に、勤務先の変更を視野に入れてみるとよいでしょう。
動物看護師の主な勤務先は？
動物看護師の主な勤務先は、以下のとおりです。
- 動物病院
- 動物園や動物保護施設
- ペットショップやペットホテル
動物看護師の給料や働き方は、勤務先によっても異なるため、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
動物病院
動物看護師の勤務先として、真っ先に思いつくのは「動物病院」ではないでしょうか。
動物病院と一口に言っても、地域に密着した個人病院から、難しい症例にも対応できる大規模な病院、特定の動物に特化した病院など、さまざまな種類があります。
勤務時間も病院によってまちまちです。24時間365日対応している病院での勤務は、日勤と夜勤があり、不規則な生活になりやすい傾向があります。
しかし、夜間診療をおこなっている病院は、夜勤手当などがあるぶん、給料の水準は比較的高めになることが多いです。
動物園や動物保護施設
動物病院以外に、動物園や動物保護施設で働いている動物看護師もいます。
動物看護師が持つ専門的な知識やスキルは、動物の飼育や健康管理など、役立つ場面が多いです。
動物園での診察は、基本的には獣医師と飼育員がおこないますが、サポート役として動物看護師が必要とされることもあります。
ペットショップやペットホテル
ペットショップやペットホテルなども、動物看護師の勤務先の候補として挙げられます。
ただし、獣医師がいない施設では、診察や治療のサポート役ではなく、主に動物の健康管理やお世話役としての採用となることが多いです。
ペットホテルは24時間体制のため、夜勤もあります。勤務時間が不規則になりがちですが、夜勤手当があるぶん、給料はプラスになります。
国家資格化されて動物看護師の給料は変わった？
2019年6月に愛玩動物看護師法が成立し、動物看護師が「愛玩動物看護師」として国家資格化されました。
国家資格化されたことで、動物看護師の給料は改善傾向にあります。なぜかというと、今までの民間資格ではできなかった一部の業務ができるようになり、仕事の幅が広がったからです。
「愛玩動物看護師」の有資格者だけがおこなえる業務は、以下のとおりです。
- 採血
- 投薬
- マイクロチップ挿入
- カテーテルによる採尿
獣医師の指示のもと行うのが条件ですが、有資格者は上記のような診療の補助が可能です。
これまで獣医師にしかできなかった業務を愛玩動物看護師が担えば、そのぶん獣医師は多くの動物の診療にあたることができます。
業務の効率アップが、給料の向上にもつながっているのだと言えるでしょう。
愛玩動物看護師の国家資格の取得に関しては以下の記事で詳しく紹介しているので、そちらも参考にしてみてください。
愛玩動物看護師とは？国家資格化に関する情報や仕事内容を紹介！
動物看護師の給料に関するよくある質問
ここからは、動物看護師に関する以下の質問に答えていきます。
- 看護師と動物看護師の給料に大きな差があるのはなぜ？
- 動物看護師の給料だけでは生活できない？将来性はある？
- 動物看護師の給料は地域によって異なる？
- 動物看護師の給料は専門卒と大卒で変わる？
それぞれの回答を見ていきましょう。
看護師と動物看護師の給料に大きな差があるのはなぜ？
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は約498万円であり、動物看護師の給料に比べて高めです。
看護師と動物看護師の給料に大きな差がある理由としては、動物病院の受診時にかかる費用が、全額自己負担であることが関係していると考えられます。
人間の場合は、健康保険に加入していれば、診療費や薬代が3割負担で済みます。一方、動物病院は自由診療のため、基本的に全て自己負担です。
そのため、「動物病院は人間の病院ほど気軽に行けない」と考える人も多く、病院の利益に大きな差が生まれます。その結果が、看護師と動物看護師の給料の差に現れているのだと言えるでしょう。
ただし、給料は病院によって異なります。なかには看護師より給与水準の高い病院で働いている動物看護師もいるため、職場選びが肝心です。
動物看護師の給料だけでは生活できない？将来性はある？
動物看護師のなかには、「給料が少なくて、この仕事だけでは生活できない」と感じている人もいます。
しかし、動物看護師が国家資格化してから仕事の幅が広がり、給料の水準が改善しつつあるのも事実です。
また、近年では生活様式の変化から、ペットの需要が高まっています。
今後、さらに獣医療が必要とされる場面も増えてくるため、動物看護師は将来性のある仕事だと言えるでしょう。
動物看護師の給料は地域によって異なる？
動物看護師に限らず、同じ職種でも地域によって給料は異なります。一般的には、地方より都市部の給料が高い傾向にあります。
なぜかというと、都市部は地方に比べて家賃や物価が高く、より多くの生活費が必要になるからです。
つまり、地方の給料が安く見えたとしても、生活費が安く済めば、その分手元に残るお金は多いということ。単純に給与額だけで判断しないことをおすすめします。
動物看護師の給料は専門卒と大卒で変わる？
一般的に、動物看護師の仕事は、専門卒でも大卒でも給料に大きな差がないことが多いです。
学歴よりも経験や資格の有無など、スキル面が給料に反映される可能性が高いと言えます。
だからこそ、より実践的な経験ができ、国家資格取得のためのサポートが手厚い学校を選ぶことが大切です。
まとめ：動物看護師は努力次第で給料アップを目指せる
動物看護師の給料の目安や、給料を上げる方法などについて、詳しく解説しました。
動物看護師の給料は、日本の平均年収と比較すると、やや低めの水準です。しかし、国家資格化されてからは、愛玩動物看護師にしかできない業務も増えたため、給料の水準が上がりつつあります。
また、動物看護師の給料は、勤務先や経験、スキルなどによっても大きく変わります。
条件のよい勤務先に就職するためには、実践的な知識や技術を身につけ、国家資格を取得しておくことが大切です。
TCA東京ECO動物海洋専門学校には「愛玩動物看護師＆高度医療専攻」や「動物看護師専攻」があり、実践的なスキルの習得や、国家資格の取得を目指す環境が整っています。
オープンキャンパスや体験授業、個別相談もおこなっているため、動物看護師を目指している人は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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動物看護師は、動物の診察や治療をおこなう獣医師をサポートする、やりがいのある職業です。
動物看護師の仕事について、さらに詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
