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動物園飼育員になるには?資格は必要?仕事内容や向いている人、年収についても紹介!

憧れの動物園飼育員になる方法を大公開!事内容ややりがい、必要な資格まで解説!

「動物園で働きたい!」「いろいろな動物のお世話をしてみたい!」そう考えている方におすすめの職業が、動物園飼育員です。

動物とたくさん触れ合える人気の職業ですが、実際の仕事内容や、就職に必要な条件や資格、将来性などはどうなのでしょうか? そのような疑問に応えるべく、動物園飼育員を目指す方の役に立つ情報をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

動物園飼育員とは?

動物園飼育員とは?

動物園飼育員とは、動物園やサファリパークや水族館で、動物のお世話をおこなう職業です。
動物たちが快適に過ごせるよう、餌やりや排泄物の清掃をおこない、健康状態をチェックしたり飼育環境を整えたりするのが基本業務です。

そのほか、来園者に動物の生態や魅力を伝えるのも大切な仕事。接客業務はもちろんのこと、動物の展示方法を工夫したり、園内イベントの企画・運営をおこなったりと、その仕事内容は多岐にわたります。担当の動物によっては、ショーをおこなうこともあるでしょう。その場合、ショーの訓練やリハーサルもおこなわねばなりません。

また、希少な動物の繁殖に園内で取り組むなど、研究的な側面もある職業でもあります。動物の親が育児放棄をしてしまった場合には、人工保育をおこなうこともあります。

動物園飼育員は、動物の命をあずかる非常にやりがいのある仕事です。それと同時に、常に危険と隣り合わせの仕事であることも理解しておかねばなりません。

たとえば、大型動物や肉食動物、毒を持つ動物のお世話では、まれに飼育員が命を落としてしまう事故も起きています。動物と心を通わせ信頼関係を築きながらも、油断することなく緊張感を持って仕事に取り組める人物が求められています。

動物園飼育員になるのに資格は不要!だけどあると有利な資格って?

動物園飼育員になるのに資格は不要!だけどあると有利な資格って?

動物園飼育員になるために、必須の資格はありません。ただし、就職の応募要件に、普通自動車の運転免許が求められる場合はあります。動物や餌の運搬などはトラックを使う動物園も多いため、AT限定ではなく、マニュアル車の免許の取得がおすすめです。

就職先によっては、地方公務員試験の合格が求められます。なぜなら、地方自治体が運営する公営の動物園や水族館の動物園飼育員は地方公務員だからです。

また、即戦力が求められる現場のため、動物関連の資格や業務に関する資格を持っていれば、知識や技能を持つことのアピールになるでしょう。

ここからは、動物園飼育員になるために持っておくと有利になる次の5つの資格を紹介します。

  1. 愛玩動物飼養管理士
  2. 飼育技師
  3. 獣医師
  4. 学芸員
  5. 潜水士

それぞれ解説していきます。

1.愛玩動物飼養管理士

愛玩動物飼養管理士は、愛玩動物(ペット)の適切な飼養管理、疾病予防といった知識や、動物愛護の精神の習得・普及を目指す民間資格です。

動物取扱責任者の資格要件のひとつとして、国や多くの自治体からも認められている、社会的信用のある資格です。

この資格を取得するには、約6か月間の通信教育を受けたのちに、所定の試験に合格する必要があります。認定者総数は21万人を超え、しっかり勉強すれば難易度はそれほど高くないといえるでしょう。

2.飼育技師

飼育技師は、動物園や水族館で飼育関係の仕事に従事する人たちの資質向上のために設置された民間資格です。動物飼育技師と水族飼育技師の2種類の資格に分類されます。動物に関する幅広い知識が求められ、飼育員としての実務能力が試される認定試験となっています。

受験するには、社団法人日本動物園水族館協会に加入している施設での2年以上の飼育経験が必要です。所属施設を通して申し込む必要もあるため、動物園や水族館に就職してから取得を目指しましょう。

3.獣医師

獣医師は、飼育動物の健康を保つための診察や治療などをおこなえる国家資格です。動物に関する高い専門知識を持っていることの証明となり、動物園飼育員の就職にも役立ちます。施設によっては、獣医師免許の取得を動物園飼育員の採用の必須条件としている場合もあります。

しかし、取得には、獣医師養成課程のある大学で6年間学び、獣医師国家試験に受かることが必要です。さらに、獣医師免許があるからといって、必ず動物園飼育員になれるわけではない点も考慮して受験を検討する必要があります。

4.学芸員

学芸員は、博物館で資料の収集、保管、展示などを担当する専門の職員のことです。日本にある多くの動物園は、博物館相当施設であり、必ずしも学芸員を配置する必要はないとされています。

しかし、学芸員としての知識は、動物の飼育管理や、企画展示のプロデュースなど、動物園飼育員の仕事範囲と重なる部分も多く、持っておいて損はない資格といえるでしょう。

また、動物園によっては、飼育学芸といった動物園飼育員と学芸員の両方の仕事ができる職種が用意されていることもあります。その場合には、学芸員資格の所持が就職を有利にしてくれる可能性もあります。

学芸員資格は国家資格です。大学や短大で文部科学省令の定める博物館に関する科目の単位を修得する、もしくは文部科学省でおこなう資格認定に合格することで取得できます。

5.潜水士

潜水士は、潜水器を装備して水中で作業をおこなうための国家資格です。ボンベを使う潜水業務は高気圧障害などの危険性が高いため、潜水士の資格が必須となります。

水族館では水槽を清掃するために、ボンベを使った水中での作業をおこないます。水族館によっては、潜水士の資格が必須資格になっている施設もあります。そのため、水族館で就職したい場合には、取得しておくと有利です。

潜水士は全国に7か所ある安全衛生技術センターのいずれかで、筆記試験に合格すると取得できます。試験は年間4~5回おこなわれます。

動物園飼育員になる方法

動物園飼育員になる方法

動物園飼育員になるために、必ず通らなくてはならないルートはありません。なろうと思えば、独学でも目指すことは可能です。ただし、動物園飼育員は採用募集自体が少なく、競争倍率が高くなる傾向があります。そのため、少ない採用枠を勝ち取るための即戦力を身につけておくことが重要です。

この章では、動物園飼育員になるための主な方法を紹介します。

  1. 大学・短大に通う
  2. 専門学校に通う
  3. 独学で学ぶ
  4. 留学して学ぶ

ぜひ参考にしてください。

1.大学・短大に通う

大学・短大に通うならば、畜産学・獣医学・生物学科など動物に関係する学部があるところを選びましょう。学費は、初年度で80万円〜250万円ほどかかります。大学・短大では、幅広い知識を身につけられるため、動物園飼育員以外の道も広がることがメリットでしょう。

大学と専門学校でお悩みの方はこちらの記事も参考にしてください。

関連記事:大学と専門学校どっちがいいの?

2.専門学校に通う

専門学校では、動物園飼育員に特化した専門性の高いカリキュラムで、効率よく学ぶことができます。実際に校内で動物の飼育をしながら学べたり、動物園での実習を取り入れていたりと、知識だけでなく技術も身につくのが強みです。

就職までのサポートも充実しており、即戦力として卒業後すぐに活躍できる可能性が高まります。学費は、初年度で60万円〜160万円ほどと、大学に通うよりは安いでしょう。

TCA東京ECO動物海洋専門学校の「動物園・動物飼育専攻」や「動物園マネジメント専攻」では、在学中から45種類65個体以上の動物の飼育方法を実践的に学べます。さらに、公務員試験に必要な一般常識も学習できるため、公務員試験の合格が必要な動物園や水族館への就職にも有利です。

3.独学で学ぶ

動物園飼育員は独学で目指すこともできます。その場合、未経験のアルバイトとして現場に入り、経験を積んだのちに正社員登用を目指すのがスタンダードな道筋です。

しかし、大学や専門学校で動物について学んできた人々と採用枠を争わねばならず、かなり厳しい戦いを強いられることになるでしょう。

4.留学して学ぶ

海外に留学して学ぶというのも一つの方法です。日本よりも、動物に関する研究や取り組みが進んでいる国に留学すれば、より専門的な知識を習得することが可能です。日本では見られない珍しい動物を見ることもできるでしょう。

ただし、長期の留学となると多額の費用が必要になります。学費はもちろん、家賃や食費などの生活費もかかります。また、語学力が高くないと、勉強についていけないといった事態にもなりかねません。

動物園飼育員の就職先は?採用試験はある?

動物園飼育員の就職先は?採用試験はある?

「動物園飼育員の就職先にはどんなところがあるの?」「採用試験の対策にはどんなことを勉強しておくのがいいの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。

そこでこの章では、次の2つについてお伝えします。

  • 動物園飼育員の主な就職先
  • 採用試験の対策と勉強しておくとよいこと

順番に解説していきます。

動物園飼育員の主な就職先

動物園飼育員の主な就職先は次のとおりです。

  • 動物園・サファリパーク
  • 水族館、酪農関係
  • ペットショップ
  • 動物病院

などが挙げられます。

求人情報は地域のハローワーク、施設の公式サイトに掲載されることもあるので、あわせて確認するのがおすすめです。

採用試験の対策と勉強しておくとよいこと

動物園飼育員は定期採用の実施は少なく、欠員募集がほとんどです。求人募集数が少ないことから競争倍率は高くなる傾向にあります。

各施設独自の採用試験がおこなわれており、筆記試験では、幅広く一般教養(数学、地学や公民、英語、時事問題など)が問われます。そのため、中学校や高校で学習する科目は、今のうちからしっかりと習得しておくとよいでしょう。

なお、一般教養のほか、生物学や生態学などの専門知識が問われることが多いようです。その他に、書類審査や面接や小論文、グループディスカッションを取り入れている場合もあります。倍率が高い施設では、4次・5次まで試験があるところも少なくありません。

また、意外と知られていませんが、試験より先に現場でのインターンシップ(業界研修)があり、各個人の知識や技術力、コミュニケーション力、人柄などの働きぶりが見られて採用の可否が決まることもあります。

このインターンシップでの活躍が就職への第一歩になるため、インターンシップへのサポート制度が整っている学校を選ぶことも採用試験の合否には非常に重要な項目といえるでしょう。

TCA東京ECO動物海洋専門学校では姉妹校含め、インターンシップ先として、全国の7,500か所以上の施設と協力しておこなっています。そのため、幅広いインターンシップ先の中から、自分が興味を持っている仕事を体験できます。

インターンシップでは動物に関わる業務だけではなく、接客などもおこなうため、コミュニケーション力やホスピタリティ力などの対応力、プレゼンテーション力など伝える力をあらかじめ身につけておくことも必要です。

動物園飼育員の年収はどれくらい?初任給や給料アップの方法も紹介

動物園飼育員の年収はどれくらい?初任給や給料アップの方法も紹介

動物園飼育員の平均年収は約360万円で、平均よりやや低い水準となっています。初任給は、働く地域によっても異なりますが、15万円~19万円ほどとされています。

公営の動物園の場合は公務員となるため、民間の動物園に比べて年収が高かったり、福利厚生が充実していたりと、安定した収入を望めます。

動物園飼育員の1日の生活は?

動物園飼育員の1日の生活は?

動物園飼育員の1日のスケジュールは、務めている施設や担当している動物によっても変わってきます。開園前に清掃や餌やりが必要なため、勤務開始時間は早めに設定されていることが多いです。

ここでは、とある動物園飼育員の1日を紹介します。

時刻 活動 備考
8:00 出勤 制服に着替え、担当動物の健康チェックや餌やりをおこないます。
9:00 開園 動物を寝室から展示スペースへ移動させ、開園です。動物が展示スペースにいる間に園舎の清掃をおこないます。また、ショーの訓練やリハーサルをおこない動物との信頼関係を築きます。
11:00 午前のショータイム&

お昼の餌やり

ショーや園内イベントなどで来園者を楽しませるのも大切な仕事です。動物たちにお昼の餌やりもおこないます。動物によっては大量の餌が必要になり、野菜やフルーツのカットなどの作業も必要です。
12:00 お昼休み 交代でお昼休みを取ります。昼食をとり午後の英気を養いましょう。
13:00 動物の観察 動物たちに異常がないか健康チェックをおこないます。展示スペースにゴミや排泄物があれば清掃します。
14:00 事務仕事 スタッフミーティングや、書類整理、展示方法や園内イベントの企画・準備などの事務仕事をおこないます。
15:00 午後のショータイム 午後のショーや、園内イベントをおこないます。夕方の餌やりの準備などもおこないます。
17:00 閉園 動物たちを寝室に戻し、健康チェックや餌やりをおこないます。スタッフミーティングをおこない、飼育日誌をつけたら退勤です。

ここで紹介したのは、あくまで一例です。ナイトサファリをおこなっている施設では、シフト制を取り入れた勤務形態となっていることもあります。また、ゴールデンウィークや、夏休みなどの繁忙期には、イベント準備などで残業が増えることもあるでしょう。

動物園飼育員に向いているのはどんな人?

動物園飼育員に向いているのはどんな人?

動物園飼育員に向いている人についてお伝えします。

動物園飼育員として最も重要なのは、動物好きであることでしょう。ゾウやキリンなどの大型動物から、ライオンやトラといった肉食の動物、ワニなどの両生類など、一般家庭で飼うことができない動物たちとも過ごせるのがこの仕事の一番の魅力です。

動物園にはさまざまな動物たちが暮らしています。特定の動物を好むのではなく、ありとあらゆる動物に目を向け、愛情を持って接することが大切です。動物の命を預かる仕事ですから、その生態を正しく把握し、些細な変化に気付くための知識や観察眼が重要となってきます。

また、体力も大切です。大量の餌や水を運ぶことはもちろん、体重の重い動物自体を移動させるなど、重労働が多くあります。屋外での作業も多く、寒さにも暑さにも負けない健康で強い肉体が求められます。

言葉を発しない動物と心を通わせるのには忍耐力も必要です。指示を聞かない動物や、気性の荒い動物もいます。ショーの練習に何ヵ月も時間がかかることもあるかもしれません。動物が思い通りに動いてくれずにストレスを感じたときも、諦めずに我慢強く取り組むことが大切です。

他には、動物たちの生態に興味を持ち、新たな飼育形態を模索していく好奇心や探求心も求められます。また、来園者に動物の魅力を伝えるためのコミュニケーション能力がある人も向いているでしょう。

いかにして動物の生態や魅力をお客さんに伝えるか、アイデアを出し、試行錯誤するのは大変ですが、同時にやりがいも感じられます。自分が企画した展示方法やイベントで、お客さんの笑顔を引き出せた瞬間の喜びはひとしおです。お客さんに動物たちの魅力が伝わるかは、動物園飼育員の腕にかかっているといっても過言ではありません。

うっかり檻のカギをかけ忘れるなど、ちょっとした油断や失敗が重大な事故につながることもあります。自分自身や、他のスタッフ、お客さん、そして動物たちの身を守るためにも責任感がある人も向いています。

動物園飼育員の将来性は?

動物園飼育員の将来性は?

動物園飼育員は、動物の命をあずかることから、ロボットによる自動化が難しい職業です。動物の些細な変化に気付き、即座に対応できるのは、やはり愛情を持って接する人間ならではでしょう。餌やりや清掃など、一部でロボットが導入されているところもありますが、音に敏感な動物には利用できないなどの問題もあります。

また、近年の動物園では、来園者をより楽しませるエンターテインメント性が求められつつあります。動物の生態がわかりやすい展示方法や、迫力満点のショーを企画・運営できる発想力のある動物飼育員が今後さらに求められていくでしょう。

まとめ:憧れの動物園飼育員への第一歩を踏み出してみましょう!

まとめ:憧れの動物園飼育員への第一歩を踏み出してみましょう!

たくさんの動物たちと過ごせる動物園飼育員は、大変なこともありますが、とても楽しく、やりがいのある仕事です。

TCA東京ECO動物海洋専門学校の2年制「動物園・動物飼育専攻」では、45種類65個体以上の動物を実際に飼育しながら、生態や飼育方法を学ぶことができます。また、実際の動物園での実習も取り入れており、実践力を身につけられるのが魅力です。

3年制の「動物園マネジメント専攻」では、「動物園・動物飼育専攻」の学習内容に加えて、より時間をかけて、展示の方法や、企画の運営などの学びを通して、お客様により動物の魅力を伝えられる力を身につけられます。じっくりと学んでから働きたい方におすすめです。

動物園飼育員になるためのノウハウが凝縮されたカリキュラムで、動物園で求められる即戦力を身につけましょう!