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厩務員(きゅうむいん)になる方法!必要な資格は?仕事内容も紹介!

厩務員(きゅうむいん)になる方法!必要な資格は?仕事内容も紹介!

馬が好きな人や競馬が好きな人にぴったりの職業が、厩務員(きゅうむいん)です。

競走馬に関わる仕事と言うと、調教師や騎手を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、競走馬のサポート全般を担う厩務員は、競走馬にとって欠かせない重要な存在なんです。

レース前に競走馬を引いてパドックを回るのも、厩務員の仕事のひとつです。あの姿に憧れる方も多いのではないでしょうか。
※パドック:競馬場でレース前に競争馬を引いて、顧客に見せ、競争馬の状態を確認したり、競走馬を落ち着かせたりする場所のこと。

この記事では、厩務員の具体的な仕事内容、なり方、将来性などについてご紹介します。馬が好きな方、厩務員に興味のある方はぜひ参考にしてみてください 。

厩務員とは?

厩務員とは?

厩務員とは、厩舎で競走馬の世話全般を行う人です。

一般的に1人の厩務員が2頭の競走馬を担当し、体調管理やエサやり、ブラッシング、厩舎の掃除などを行います。 調教師のように調教は行いませんが、移動や軽い運動をさせる際など、馬に乗る機会は多くあります 。

厩務員と調教師との違い

厩務員と調教師との違い

厩務員と同じく競走馬に関わる仕事には、調教師や調教厩務員があります。これら3つの職業の違いをご存知でしょうか?

厩務員、調教師、調教厩務員の違いは次のとおりです。

種類 業務内容
厩務員 馬の世話全般を行う(調教は行わない)
調教師 レースのためのトレーニングを行う
調教厩務員 調教もできる厩務員(資格が必要)

調教を行うかどうかがポイントですね。調教師はトレーニングがメインなので、馬のその他の世話を行うことはあまりありません。

「まずは厩務員として就職し、経験・知識を身につけたら調教厩務員・調教師を目指す」という方も多くいます。

厩務員になるのに資格は必要?

厩務員になるのに資格は必要?

厩務員になるためには、資格は不要です。しかし、調教厩務員を目指す場合は資格が必要となります。

厩務員として働きながら、調教師に必要な資格の取得を目指すのも良いでしょう。

厩務員の主な就職先は中央競馬と地方競馬。2つの違いは?

厩務員の主な就職先は、中央競馬と地方競馬の2つです。その違いを説明します。

まず、日本の競馬は中央競馬と地方競馬に分かれています。この2つの大きな違いは、主催者の違いです。

中央競馬は、日本中央競馬会学校(JRA)が主催します。JRAとは、農林水産大臣の監督を受けて国が出資する特殊法人です。

一方で地方競馬は、各都道府県や公共団体が出資し、管理しています。また各地方競馬は、地方競馬全国協会(NRA)によって、連携して運営されています。

このように中央競馬と地方競馬では出資者が異なるため、賞金にも大きな違いが出ます。中央競馬では1億円を超える賞金が出ることもありますが、地方競馬のレースではそれほど大きな額の賞金はあまり見られません。

そのため、実力のある競走馬は中央競馬に所属するのが一般的となっています。

厩務員になるには?中央競馬と地方競馬で異なる?

厩務員になるには?中央競馬と地方競馬で異なる?

厩務員になる方法も、中央競馬と地方競馬で異なります。

中央競馬の厩務員になるには

中央競馬の厩務員になるには、「JRA競馬学校」という学校の厩務員過程を卒業する必要があります。JRA競馬学校については、この後詳しくご説明します。

地方競馬の厩務員になるには

地方競馬の厩務員になるには、各地の厩舎を運営する調教師と雇用契約を結ぶことになります。

中央競馬のように特定の学校に通う必要はありません。しかし調教師に採用してもらうには、厩務員として働くために十分なスキルを身につけておく必要があるでしょう。

中央競馬への就職に必須な「JRA競馬学校」に合格するには?

中央競馬への就職に必須な「JRA競馬学校」に合格するには?

先ほどお伝えした通り、厩務員として中央競馬に就職するには、JRA競馬学校を卒業しなければなりません。

JRA競馬学校では6カ月間、以下のような勉強をします。

  • 座学:関係法規、馬学、馬術・競走理論など
  • 実技:馬術、走路騎乗、厩務など
  • その他:社会見学、特別活動など

どれも厩務員に欠かせない知識・スキルです。

JRA競馬学校での厩務員課程の生徒募集は、年に1度行われます。募集人数は例年30名ほどで、春に入学する生徒と、夏または秋に入学する生徒に15名ずつ分けられます。

募集人数も少なく、JRA競馬学校への入学は難関と言われています。JRAの発表によると、合格率は10%ほどです。
参考:日本中央競馬会 競馬学校 Q&A

狭き門であることがよくわかります。

また、入学条件として、一定の健康状態と騎乗経験が必要です。健康状態は、厩舎従業員として業務を行うのに支障がない程度です。

以前は、体重が60kg以下であることも求められましたが、今では体重制限はありません。しかし、厩務員は馬に乗ることも多い職業です。馬の負担にならないように、体重にも気をつけた方が良いでしょう。

騎乗経験では、1年以上の経験かつ、単独騎乗で3種の歩法(常歩、速歩、駈歩)ができる必要があります。出願時には、騎乗期間(騎乗経験を開始した年月)や騎乗内容(障害の高さやタイム等)を明確に記載することが求められます。

さらに、第2次試験では騎乗適性検査もあります。詳しくは、JRAのサイトで確認しましょう。
参考:日本中央競馬会 競馬学校 (厩務員過程生徒 募集要項)

JRA競馬学校に入学するには、十分な騎乗経験が必要ということがわかりました。必要な騎乗経験を積むには、実習授業のある専門学校に通うことがおすすめです。

厩務員になるための準備ができる学校

続いて、厩務員になるための準備ができる学校をご紹介します。専門学校と大学に分けてご説明します。

専門学校

専門学校から厩務員を目指す場合、厩務員または動物飼育に特化した学校を選ぶと良いでしょう。先ほどお伝えした通り、JRA競馬学校の入学条件には騎乗経験があります。そのため、騎乗も学べる学校が特におすすめです。

例えば、TCA東京ECO動物海洋専門学校です。動物園・動物飼育専攻というコースでは、カリキュラムに牧場での実習があります。

乗馬はもちろん、鞍の付け方から飼育に必要な道具など、厩務員として働く上で必要なスキルを実際に体験して学ぶことができます。

大学

残念ながら、馬の勉強を専門的に行っている大学はあまりありません。

そのため大学や短大から厩務員を目指す場合、動物科学科や動物看護学など、動物全般について学べる学科を専攻すると良いでしょう。

さまざまな動物の生態や治療について学ぶことで、馬の健康管理やトレーニングにも活かせる知識を学ぶことができます。

動物科学科は岩手大学や東海大学、動物看護学は帝京科学大学や酪農学園大学などにあります。全国広い範囲に学校があるので、通いやすい場所を選ぶことができるでしょう。

厩務員の仕事内容は?

厩務員の仕事内容は?

厩務員の仕事は、レースで担当馬が活躍するためのサポート全般です。具体的には、次のような仕事があります。

  • エサづくり、エサやり
  • 健康管理
  • 馬体のブラッシングやシャワー
  • 馬小屋の清掃
  • 調教のウォーミングアップやクールダウン
  • レースでの付き添い

サポート全般なので、作業は多岐にわたります。さらに、厩務員は基本的に1人で2頭の馬を担当するため、作業はそれぞれ2頭分行うことになります。

エサは、馬の主食である麦に配合飼料を加えて作ります。配合飼料とは、ビタミンやタンパク質、整腸剤などの飼料をブレンドしたものです。馬の体調や体重などによって、その馬にあった配合を考えます。

運動量が激しい競走馬は、スタミナとエネルギーの補給が大切です。そのため麦や配合飼料に加えて、ニンジンやリンゴ、ハチミツなど与えることもあります。

また、レースでの付き添いも厩務員の重要な仕事のひとつです。

競走馬はレース会場について、その日レースがあることを悟ると、異常に興奮することがあります。そんな馬たちに寄り添って、メンタルを落ち着かせ、レースで実力を発揮できるようにサポートします。

厩務員は心身ともに競走馬の支えになる仕事だといえるでしょう。

厩務員の1日のスケジュール

厩務員の1日のスケジュール

厩務員の1日のスケジュールの例をみてみましょう。

4:00 出勤。担当馬の検温や馬房の掃除を行い、ワラを変えて、馬に鞍をつける
6:00 担当馬の調教の準備。調教がない場合、引き運動などを行う
9:00 馬体のブラッシングやシャワー
10:00 エサやり
13:00 担当馬に軽い運動をさせる
15:00 馬房に寝床を作る
16:00 エサやり 
20:00 エサやり

細かいスケジュールは厩舎によって異なりますが、作業の流れはおおよそ共通しているでしょう。朝早くから夜遅くまで、1日中馬と一緒にいることがよくわかります。

厩務員のやりがい・大変なことは?

厩務員のやりがい・大変なことは?

続いて、厩務員のやりがいや大変な点をみてみましょう。

厩務員のやりがい

厩務員の一番のやりがいは、馬と接する時間が長いことです。調教師や騎手は主に調教やレースの時のみ馬と接しますが、厩務員は毎日朝から晩まで馬と一緒に過ごします。

そのため、担当馬について誰よりもよく知ることができます。まさに馬が好きな人にぴったりの職業と言えるでしょう。

また、担当馬がレースで優勝した時にも、大きなやりがいを感じることができます。自分が毎日大切に育ててきた担当馬が結果を出してくれるのは嬉しいです。

さらに担当馬がレースに勝つと、厩務員は進上金といって賞金の5%をもらえます。自分が行なった仕事の結果が収入に反映されるので、モチベーションにもなります。

厩務員の大変なこと

一方で、厩務員には大変なこともあります。まずは、朝が早い点です。厩務員には朝の調教前にするべき仕事が多いので、出勤時間も早くなります。夏には午前3時頃から作業を始めることもあります。

また、厩務員は休みが少ない点も大変でしょう。厩舎にもよりますが、年間で40日ほどの場合もあります。

厩務員に向いている人の特徴

厩務員に向いている人の特徴

続いて、厩務員に向いている人の特徴をご紹介しましょう。厩務員に向いている人の特徴は次の通りです。

  • 責任感がある人
  • 観察力がある人
  • 管理能力が高い人

馬と一緒に1日中過ごして世話の全般を行う厩務員は、馬の命に関わる職業と言えます。そのため、強い責任感が必要です。また、ケガや病気につながるささいな変化も見逃さない観察力も欠かせません。

特に競走馬は我慢強い動物だと言われています。厩務員も知らないうちにケガをしたり、寝違えたりすることもあります。しかし、それでも我慢して歩いたり走ったりしてしまうのです。そのため、厩務員は馬をよく観察し、異常に気付いたら獣医や調教師に伝えなければいけません。

さらに、厩務員は担当馬を健康に育てるだけでなく、レースで勝てる競走馬にすることが求められます。そのため、体調やスケジュールなどをきちんと管理できる人が望ましいでしょう。

もちろん、これらに加えて馬が好きであることは一番大切です。馬に対する愛情があるからこそ、厩務員として大変な仕事もこなしていくことができるでしょう。

厩務員の就職先はJRAとNRAだけ?

厩務員の就職先はJRAとNRAだけ?

厩務員のなり方の説明で、中央競馬(JRA)と地方競馬(NRA)をご紹介しました。しかし、厩務員の就職先はJRAとNRAだけではありません。

サラブレッドを繁殖したり育成したりする生産牧場や、将来サラブレッドとなる競走馬を訓練する育成牧場などがあります。

また、JRAへの就職を目指してJRA競馬学校に入学しても、卒業時に厩舎に空きがない場合があります。その場合、一旦は生産牧場や育成牧場などに勤め、空きが出るのを待つこともあります。

厩務員の平均年収はどれくらい?気になる給料事情

厩務員の平均年収はどれくらい?気になる給料事情

厩務員を目指す方にとっては、その給料事情も気になります。

給料の平均年収は400~600万と言われています。一般的な会社員と大きく変わりはありませんね。勤め先や勤続年数、進上金の有無によっても大きく変わります。

JRAの場合、基本給は15万〜35万円ほどで、年2回の賞与があります。
参考: 一般社団法人 日本調教師会

厩務員の将来性は?

厩務員の将来性は?

最後に、厩務員の将来性について考えてみましょう。

まず、JRAの発表しているデータをみると、総参加人員数は常にゆるやかに増加しており、今後も人気は続くことが予想されます。

JRA売得金額

参考:JRA日本中央競馬会

近年では女性に向けたPRなども積極的に行っており、今後参加者が増える可能性も高いでしょう。

このように勢いのある競馬界で、競走馬のサポート全般を行う厩務員は欠かせない存在です。そのため、今後も厩務員の需要は高まっていくと考えられます。

また厩務員は、調教厩務員・調教師へのステップアップを目指せる点からも、その将来性は明るいと言えるでしょう。

まとめ:厩務員は馬を愛する人にぴったりの仕事!

まとめ:厩務員は馬を愛する人にぴったりの仕事!

厩務員について、仕事内容やなり方、給与、やりがい、将来性などをお伝えしました。

競走馬の世話全般を行う厩務員は大変なこともありますが、それ以上にやりがいの大きい仕事でした。馬と接する時間が長いので、馬が好きな人にとってはぴったりの職業でしょう。

厩務員としての就職先は、JRAやNRA、生産牧場、育成牧場などがありました。

JRAへの就職を希望する場合、まずはJRA競馬学校への入学が関門でした。JRA競馬学校に入学するには、応募の時点で騎乗経験が求められます。

しかし目指す就職先にかかわらず、馬についての必要な知識に加えて騎乗経験があると有利になります。

そのため、厩務員になるには、専門的な学習と十分な実習体験ができる学校で学ぶことが近道になるでしょう。

文中でもご紹介したTCA東京ECO動物海洋専門学校は、厩務員を目指す方におすすめの専門学校です。動物園・動物飼育専攻のカリキュラムに牧場での実習があり、実際に馬に触れながら学ぶことができます。

TCA東京ECO動物海洋専門学校では体験入学も行っています。興味のある方は、気軽に参加してみてはいかがでしょうか。

動物園・動物飼育専攻のページでは、カリキュラムや実習の風景を見ることができます。厩務員に興味のある方は、ぜひ一度チェックしてみてください。