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イルカ・クジラと働くには?イルカウォッチングやホエールウォッチングの職種を紹介

イルカ・クジラと働くには?イルカウォッチングやホエールウォッチングの職種を紹介

イルカやクジラをウォッチングする、イルカウォッチングガイドやホエールウォッチングガイド。

「野生のイルカと一緒に泳ぎたい」

「ホエールウォッチングの楽しさを伝えたい」

説明を受けながら体験したことがきっかけで、イルカやクジラをウォッチングするガイドに興味を持つようになった人もいるでしょう。

季節限定で見られるイルカやクジラの魅力を伝えて、自然を守る手伝いがしたいと感じる人もいるかもしれません。

ですが、どのように行動するとウォッチングガイドになれるのか分からず、悩む人もいるのではないでしょうか。

この記事では、多くのウォッチングガイドを排出しているTCA東京ECO動物海洋専門学校が、イルカやクジラをウォッチングするガイドになるのに必要な資格や年収、就職先などをお伝えします。

一読すると、イルカやクジラのウォッチングガイドになるために準備することがわかります。ぜひ、最後まで読んで、できるところから行動してみてください。

鯨類の仲間!イルカやクジラをウォッチングするガイドとは

鯨類の仲間!イルカやクジラをウォッチングするガイドとは

イルカウォッチングやホエールウォッチングをするガイドは、野生のイルカやクジラの生態、パフォーマンスの意味などを伝えて自然を一緒に楽しむ仕事です。

また、海中を一緒に泳いで楽しむこともあります。

同じ鯨類に分類されているイルカやクジラは、以下のように見分けます。

  体長
イルカ 4m未満
クジラ 4m以上
※シャチ、ベルーガなど

※明確には定義されていない

同じ鯨類をガイドする職種には、イルカウォッチングガイド、ホエールウォッチングガイド、船上ガイドなどがあり、それぞれ異なる呼び方で仕事をしています。

仕事で扱う鯨類も異なる部分があるため、各ガイドについて詳しく確認してみましょう。

イルカウォッチングガイドやホエールウォッチングガイド、船舶ガイドの違いは?

ガイドの職種 ガイドする内容
イルカウォッチングガイド ・イルカのみ
ホエールウォッチングガイド ・クジラ
・イルカ
船上ガイド ・土地の歴史や見どころをガイド
※イルカ、クジラをガイドすることもある

それぞれの職種を簡単に説明すると、表の通りです。

どの職種も、野生のイルカやクジラをガイドするのが特徴です。

ツアー参加者に野生のイルカやクジラの雄大さ、かわいさなどを体感してもらい、楽しんでもらったり自然に興味関心を持ってもらったりする目的があります。

仕事の内容にあわせて職種を選ぶとよいでしょう。

イルカやクジラと働くには資格は必要?有利な資格も紹介

イルカやクジラと働くには資格は必要?有利な資格も紹介

イルカやクジラと働くのに、必要な資格はありません。ですが、持っていると有利になる資格はあります。

求人の募集要項に掲載されていることが多い資格は、以下の通りです。

  • 普通自動車免許
  • TOEICや中国語検定など
  • 小型船舶操縦士免許
  • スクーバダイビング ダイブマスター以上
  • 潜水士

簡単に資格の内容を紹介します。

普通自動車免許

イルカやクジラのウォッチングガイドをする場合は、普通自動車免許を取得しておきましょう。

就職先によっては、車でイルカやクジラの観測場所を探したり送迎時に運転したりすることがあります。

必要になってから学校に通うのは時間がかかるため、時間を有効活用できる学生時代に免許を取得しておくと良いでしょう。

TOEICや中国語検定など

ドルフィンウォッチングやホエールウォッチングの参加者は、日本語が分かる人ばかりではありません。

イルカやクジラのウォッチングは海外の人も興味関心を示しているため、英語や中国語、韓国語などで日常会話ができるとガイドをするときに役立ちます。

求人のなかには英語ができると優遇されたり、中国語や韓国語ができる人を募集していたりする場合があります。

短期間で身に付くものではないため、日常会話が話せるレベルまで語学力を磨いておくとよいでしょう。

TOEICや中国語検定など、日常会話ができる語学力があることを示せると、就職に役立ちます。

小型船舶操縦士免許

小型船舶操縦士免許

イルカやクジラのウォッチングガイドを目指す場合、2級小型船舶操縦士の免許を取得しているとよいです。

どの職種も船を利用してガイドするため、求人募集時に優遇されたり船長補佐や船長の求人にも応募できたりするからです。

海岸から9kmの海域まで操縦できる2級小型船舶操縦士の免許があれば、人を乗せて運行したり、自ら船を操縦してツアーガイドをしたりできます。

2日間ほどで取得できる国家資格の小型船舶操縦士免許は、16歳以上から取得できます。就職の場を広げたり将来独立を目指したりしたい場合は、取得しておくと良いでしょう。

スクーバダイビング ダイブマスター以上

スクーバダイビング ダイブマスター以上

イルカやクジラと一緒に海面を泳ぐガイドをする場合は、特に資格は必要ありません。

ですが、海の中をイルカやクジラと一緒に泳ぐドルフィンスイムやクジラスイムを行う場合は、スクーバダイビングの資格が必要です。
※スイムとは、素潜りでイルカやクジラと泳ぐこと

資格を取得するには、水深18mまで潜れるPADIのオープンウォーターダイバーから取得しましょう。経験を積むと、PADI ダイブマスターが受験できます。

ダイブマスターは、ドルフィンスイムやクジラスイムなどのスキンダイバーコースを単独で実施、認定できる資格(ライセンス)です。

イルカやクジラと一緒に海中を泳いだり楽しんだりするガイドを務めたい場合は、スクーバダイビングの資格を取得するとよいでしょう。ガイドとして一皮むけ、仕事や就職の幅も広がります。

スクーバダイビングの詳しい内容は、ダイビングインストラクターの記事を参考にしてください。

関連記事:ダイビングインストラクターになる方法!

潜水士

潜水士

イルカやクジラをウォッチングするガイドのなかには、各地の団体が主催しているガイド認定制度に登録している人もいます。

ガイド認定制度は、屋久島や小笠原などの観光客が足を運ぶ地域に設けられていることが多い制度です。各自治体が登録、認定、育成などを行っています。

認定制度には2年間の有効期限が設けられている地域が多いため、必然的にガイドの質が保たれる仕組みになっています。

更新時には講習を受ける決まりもあり、ガイドにふさわしくない行為をした場合は、認定取り消しもあるので注意しましょう。

認定ガイドになると、認定ガイド図鑑に個人情報付きで登録するため、指名されることもでてきます。

ガイド認定制度がある地域でイルカやクジラのウォッチングガイドをする場合は、知名度があがるほど個人で仕事を得やすくなるでしょう。

イルカウォッチングガイド・ホエールウォッチングガイド・船上ガイドの勉強ができる学校

イルカウォッチングガイド・ホエールウォッチングガイド・船上ガイドの勉強ができる学校

イルカやクジラをガイドするには、自然界のことや動物のことに詳しくならなければいけません。

知識や技術を得るには、以下の2つの学校で勉強する方法があります。

  • 専門学校
  • 大学

順番に確認してみましょう。

専門学校

イルカやクジラをウォッチングするガイドを目指す場合、専門学校で知識や技術を学ぶのがおすすめです。

各ガイドは、現地に同行するだけではありません。イルカやクジラの種類や特徴など、参加者に分かりやすいように説明するのも仕事の1つです。

ドルフィンスイムやクジラスイムを行う場合は、動物の行動や扱い方に慣れていることも大切です。

TCA東京ECO動物海洋専門学校では、専門的な知識や技術が学べるほか、以下の資格も取得できます。

  • 小型船舶操縦士免許
  • 潜水士
  • PADI オープンウォーターダイバー

また、全国7,500箇所以上あるインターンシップ先やイルカと触れ合える提携施設、スクーバダイビングなど校内外で行う実習も豊富です。

企業イベントに参加したり仕事に直結する実習を多く取り入れていたりするため、就職後に役立つスキルを実践で学べるのが特徴です。

参考:校外実習

大学

大学で学ぶ場合は、水産学部や海洋学部、生命環境学部などのある大学に通うのがおすすめです。

大学によっては、観光協会と共同してクジラの調査を行っているところもあります。講演会に参加したり、講義を聞いたりできる大学もあります。

専門学校に比べると、実技を習得する環境としては物足りない部分もあるでしょう。 ですが、より興味関心を示す分野を探したい場合は、広い知識が得られる大学で学び、方向性を定めていくのも1つの方法です。

大学と専門学校でお悩みの方はこちらの記事も参考にしてください。

関連記事:大学と専門学校どっちがいいの?

イルカやクジラをウォッチングするガイドの仕事内容は?1年中仕事はある?

地域 ベストシーズン
北海道 3月~10月
小笠原諸島 2月~4月
※年間を通してイルカが見られる
高知県 7月~9月
千葉県 1月~12月
※年間を通してイルカ・クジラが見られる
奄美大島 1月~3月
天草諸島 4月~10月
※年間を通してイルカが見られる
沖縄 12月下旬~4月上旬

上記のベストシーズン以外にもイルカやクジラをウォッチングできる期間があり、一定期間のみの地域や年間を通してガイドできる地域などさまざまです。

幅広い事業を行っている企業では、イルカやクジラを見られるシーズン以外はスノーケリングやスクーバダイビングなどのガイドをすることもあります。

1年中ガイドの仕事がある地域と期間限定の地域があるため、求人募集をチェックするときは注意しておきましょう。

イルカウォッチングガイドやホエールウォッチングガイドのやりがいは?冬の海の仕事は辛くない?

イルカウォッチングガイドやホエールウォッチングガイドのやりがいは?冬の海の仕事は辛くない?

波に隠れるイルカやクジラを見つける方法や一緒に泳ぐときに注意することなど、初めて体験する人にも分かりやすいように説明できる知識や話術も必要です。

参加者に「説明通りに探したらイルカが見つけられた」「クジラを間近で見られて嬉しかった」など感謝されたとき、よりいっそうやりがいを感じられるでしょう。

イルカやクジラをウォッチングするベストシーズンは、水温が低い時期もあります。たとえば、3月~10月がベストシーズンの北海道の水温は5度~21度ほど。文部科学省が公開している学校のプールの水温は「23度以上が好ましい」と言われています。
参考:文部科学省

学生時代にプールで泳いだときと比べると、冬の海の水温はかなり低めです。

季節によりウェットスーツの厚みを変更したり生地の素材を変更したりして、寒さを調整しましょう。保温グローブやインナーで調整も可能です。

ほかには、あらかじめ大きめのタオルを準備したり着替えや防寒具を準備したりして、海から上がったときの対策もしておくとよいでしょう。

寒い季節でも、しっかりと防寒対策を行えばガイドする辛さもさほど感じられなくなります。

辛さよりやりがいが勝ると、ツアーに参加した人がよりいっそう楽しめるようにガイドを務めたくなる人も多くなるでしょう。

イルカウォッチングガイドやホエールウォッチングガイドに向いている人の特徴

イルカウォッチングガイドやホエールウォッチングガイドに向いている人の特徴
  • 船酔いしない人
  • 動物が好きな人
  • 人と接するのが好きな人
  • 海好きな人
  • 洞察力がある人

イルカウォッチングやホエールウォッチングは、主に船の上でガイドをします。

酔い止めで船酔いを軽減させるのもよいですが、毎日の仕事にする場合は船酔いしないほうがよいです。

船上に少しずつ慣れていき、船酔いしない身体を作り上げていきましょう。

野生動物を間近で見られるウォッチングガイドは、参加者が楽しめるように配慮したり接したりできる人が向いています。

冬の海でウォッチングする場合もあるガイドは、海好きでなければ続けるのが苦痛になってくる人もいるでしょう。

海は、少しの異変でも生死に関わる重大なことを引き起こす場合があります。参加者や船、海の異変などに気づける洞察力も必要です。

イルカやクジラをウォッチングするガイドは複数あり!就職先も紹介

イルカやクジラをウォッチングするガイドの仕事は、イルカウォッチングガイド、ホエールウォッチングガイド、船上ガイドがあります。

ドルフィンガイドと呼ばれることもあります。

それぞれ呼び名は異なりますが、イルカやクジラをウォッチングする仕事には変わりありません。同じ会社から、複数の職種を求人募集していることもあります。

主な就職先は、以下の通りです。

  • NPO砂浜美術館
  • 観光協会
  • 観光案内所
  • クルージング事業会社
  • ダイビングショップ

イルカやクジラが見られるシーズンは地域により異なり、季節により募集内容が変化することがあります。

1つの職種だけで検索しても見つけられない場合でも、職種を変えると該当することがあります。 1つの職種に固執せず、いろいろな仕事を検索してみるとよいでしょう 。

イルカやクジラをウォッチングするガイドの平均年収はどれくらい?閑散期の給料は変わる?

イルカやクジラをウォッチングするガイドの平均年収はどれくらい?閑散期の給料は変わる?

イルカウォッチングガイドやホエールウォッチングガイド、船上ガイドの1ヶ月の給料を平均すると、10万円~15万円ほど。年収にすると、130万円~181万円ほどです。

自然界の中で行うイルカやクジラのウォッチングガイドは、海が荒れていると船が出航できず、休業になることがあります。

地域によってはイルカやクジラが観測できない時期があるため、仕事量が減ることもあります。

そのため、閑散期は、あらかじめ給料が減額されている会社もあるので注意しましょう。

イルカやクジラをガイドすることに変わりはありませんが、職種により給料に差があります。 特に職種にこだわりがなく、イルカやクジラをウォッチングするガイドを仕事にしたい場合は、年収もチェックしつつ職種選びをするとよいでしょう。

イルカやクジラをウォッチングするガイドの将来性はある?

イルカやクジラをウォッチングするガイドの将来性はある?

イルカウォッチングやホエールウォッチングは、エコツーリズムの1つとして取り上げられているため、仕事がなくなることは考えにくいです。充分、将来性はあるでしょう。

参考:環境省

エコツーリズムとは、自然環境や歴史文化など、地域の魅力を最大限に活かし、観光客に自然の価値や大切さを理解してもらうこと。保全に繋がるよう働きかける仕組みのことです。

イルカウォッチングやホエールウォッチングは、ガイドを通して自然保全や観光客の集客を行い、地域の活性化に貢献しています。 そのため、イルカやクジラをガイドする仕事がなくなることは考えづらく、将来性はあると言えるでしょう。

まとめ:イルカやクジラをウォッチングするガイドは自然保全や地域活性化にも繋がる仕事

イルカやクジラをウォッチングするガイドは、イルカやクジラと一緒に泳いだり興味関心が持てるよう説明したりする仕事です。

「イルカと一緒に泳いでみたい」「でも、興味が持てるように伝えるのって難しそう」など、ウォッチングガイドに興味があるけれど、同時に不安になる人もいるでしょう。

TCA東京ECO動物海洋専門学校の「水族館プロデュース」や「ドルフィントレーナー専攻」では、イルカやクジラの知識や扱い方を学べます。

校内外の実習で、より深い技術も学べます。

イルカウォッチングガイドやホエールウォッチングガイド、船上ガイドに有利な資格が取得できるのも特徴です。

イルカやクジラをウォッチングするガイドに興味が湧いてきたら、無料の資料請求をして内容を確認してみてください。

本校の卒業生の話や校内外の実習など、各専攻の詳細や公式サイトにはない情報も載っています。将来を考える参考資料が増えるでしょう。